第一回イベントはつつがなく……?
迫りくる大量の魔物の軍勢。
私たちは街の外の平原で迎え撃つ。いざ、町を守るために戦うのだ! というまあ、イベントが滔々始まりました。
あれからというもの、少しだけレベルを上げ、レベル13くらいまで上げた。チリンも使って一緒にレベルを上げまくった。
チリンは疲れたといって何回かさぼったから11くらいだけど私は違う。
真面目にレベル上げもしているとけっこうたのしくなるものだよね。こういう単純作業とか好きだよ。
「さーて。魔物を倒すか」
精霊魔法を行使して戦う。
最初から最大火力をぶっぱなそうかな。魔物にもAIが積まれているらしく恐怖や畏怖を抱くということがある。最大火力をぶっ放せば少しは慄くだろう。
光魔法に私のすべてのMPをぶっこんで放った。
巨大な光の玉。その球は魔物を包んでいく。まるでそれは銀河ができる爆発のように。光が魔物を覆いこんでいく。
そして、MPが尽き、私はその場に倒れた。
MPを全部使うとすごい脱力感があるんだね。よかった。一応MPポーションを購入しておいて。
「すっげえ……」
「はあ?え、はあ?」
「な、なんだよ今のは! て、敵が……辺り一面に敵がいないぞ!」
あ、あはははは。それ、私のせいです。
すごいね。やっぱり。流石威力だけは高い魔法だね。威力範囲共々申し分はなし。MPをフルで使わないといけないというのはすごく難点だけどもさ。
うーん。これと同じぐらいだすにはもうちょっとレベルが必要なのかな?
さて、MPをさっさと回復して、もっと殲滅しよう。
こういうイベントで、ある種族だけが強すぎると普通のプレイヤーは面白くないと思うことだろうな。だから、私たちを潰すために何か来るはずなんだけれどもさ……。
嫌な予感がする。
その予感は、的中した。
私の目の前の空間が真っ暗になったと思うと、いつのまにか、最初にログインした噴水広場の前にいたのだった。
隣には他の王様もいて。
「え、どこここ」
「俺はたしか平原にいたはずだよなぁ!?」
「…………」
勇者、獣王、不死王さんたちは、周りを見渡している。
なるほど。もしかしたらなんだけど、私たちは時間制限が普通のプレイヤーより少ない、ということなんじゃないだろうか。
圧倒的な差をつけないために、私たちはもうやるなということなのではないか?
うーん。だとするとあっけなかった気もするけどな。
私の考察はどうなんだろう。あっている自信はある。
すると、真上から光が差したのだった。
「六つの王よ。よくやったな」
この前見た女神カーリ様だった。
カーリ様は不敵に笑っている。
「貴様らの活躍、我は見ておったぞ」
どこから見ていたんだろ……。
「ククク……だが、貴様らは此処でおしまいだ。あとは、格下共に任せることだな」
格下共……つまり普通のプレイヤーのことだろう。
たしかに格下だと思う。けど、私は格下とは呼びたくない。見下すほど私は偉くもないし、幸運なだけで手に入れた努力もない私は、見下すことはできないでしょ。
……努力も知らないのは、ちょっと腹立つよね。
「訂正してください。格下なんて人はいませんよ」
「精霊王か? ふむ、我に異議を申すとはなかなかのものだな」
「偉そうに……いや、偉いんでしょうけど格下と見下すのは見過ごせません」
「そうかそうか。わかった。愚民。これでよいか?」
「いいわけない……!」
バカにしているのか! 腹立つ! こいつめっちゃくちゃ腹立つ!
「まだ力を持て余している者もいるだろう。ここで其方ら共で闘っていてもよい。では、さらばだ!」
と、去っていった。
ヘイト値ためるのうまいなあの女神様は……! あの野郎ぶっ潰してやる! まあ、女神っていうから野郎じゃないんだけどもさ!
死ねっ! 死ねえええええ!
荒ぶるミキちゃん。彼女も相当努力家で努力をした分見合った見返りがあると信じている。
理不尽なことを受け入れろ! 日本はニートを許さないんだ! 世の中の理不尽に負けた男を憐れむことしかせず慈しまない! ニートだって理不尽を生きてるんだ! だから俺はニートになりたいっ!!
まあ、働いているときにものすごく絶望を感じてるんですよねえ。マジな話なんですけど、死にたいなって思うことがちらほら……。我に返るとなんで絶望しているのかわかりません。なんかアレルギーなんでしょうね。仕事に対する。だから自分は仕事をするべきじゃないと思いました。
……はあ。月曜日行きたくないなあ。