修学旅行(北海道) ①
北海道、無事到着いたしました。
新千歳空港からバスでホテルに向かう。駅前のホテルであり、地下歩道空間も近い。今日の夜は自由なために食べ歩くと決めた。
「ふあーあ。さて、どこいく?」
今現在の時刻は午後三時。中途半端な時間である。
「そういえば聞いたんだけどこの近くで撮影行われてるらしいよ。ドラマの」
「マジで? サインもらえるかな。行こうか!」
私たちはそこの現場まで向かっていく。
仕切りが置いてあり、撮影しているようにカメラが動いている。遠目から私たちは見ていたけど、監督が邪魔で俳優が見えない。
いや、どけてくんない?
「やめて! 私の髪だけは、髪だけはやめて……!」
「うるせえ! 忌まわしき母から継いだこの髪だけはあいつを思い出して仕方がねえ……! ちょんぎってやる!」
声だけしか聞こえない。
けど、ものすごく迫真とした演技だ。どういう内容かは知らないけど。
と、一瞬だけど、俳優の顔が見える。男性は、今話題のアイドルグループ。そして、片方の女性は……。アイドルの人。
うーん。あまりアイドルには興味ないんだよね。
「そこまで。飯田。あんた何してんの?」
「この声は……!」
この声。私が間違えるはずもない。
真野ちゃんだ。真野ちゃんの声だ。リアル真野ちゃんだ。すごい真野ちゃんだ。
「おっと、ここででかい声で歓声揚げると迷惑になるよね。終わったら挨拶に行こう」
ドラマの撮影が終わり、真野ちゃんが車に乗ろうとしたところに直撃!
「真野ちゃん!」
「はい? ……あ、美咲ちゃん! どうしてここに?」
真野ちゃんは驚いていた。
もちろん部外者……なんだけど、引き留めちゃった。申し訳ない。
「修学旅行で北海道に来てまして。真野ちゃんの姿が見えたから……」
「そっか。修学旅行か。私も本当は今日修学旅行だったんだけどね」
「そうなんですか!?」
「お仕事があって……。まあ、クラスのみんなとも仲良くないし行ったって浮いてるだけだから別にいいんだけど。でも、行事には参加はしたかったよ。私のところは沖縄行ってる」
北海道と真逆の方向じゃないですか!?
「運転手さん。ちょっと友人と話すので大丈夫ですよ。地下鉄乗ってホテルに向かうので……」
「す、すいません。引き留めてしまって」
「いいのいいの。私は美咲ちゃんと話したかったし。今日ゲームするの?」
「あー、持ってきてないんです。ヘッドギア……」
壊れそうで持ってこなかったんだよね。
「おーい美咲ー! 誰と……あ、真野ちゃんですか。どうも」
「あ、珠洲ちゃん。どうもー」
「えっ、珠洲と美咲って真野ちゃんと知り合いなの? どこで知り合ったの!?」
「新しい子だね」
「あ、友達の地衣です」
「あ、地衣、です。よろしくお願いします」
真野ちゃんは有名だから地衣も知ってるよね。
「珠洲ちゃんたちってヘッドギア持ってきてるの?」
「もちろん。もってきてますよ。美咲の分も」
「えっ」
なんで持ってきてるの!? 私の家におきっぱなんじゃなかったっけ!? いや、たしかに見せてるのは私のものだけど……。
「なんであるの!?」
「いやー。美咲のことだから壊すの怖いんじゃないかと思って。今朝、こっそりともってきた」
気づかなかった……。
「これはちょっとやそっとじゃ壊れないよ。さすがに踏んづけたりしたら壊れるけどそこまで脆くはないし段ボールに緩衝材いれて送ればまず安心」
「……そういう方法があったのか」
気づかなかった。
……その知識を、勉学のほうに生かしてくれてもいいんだけどな。
「そっか。私も持ってきてるんだ。今日の夜やらない?」
「は、はい! やります!」
「ギルドホーム集合でいいよね?」
「もちろん!」
私たちはそう約束した。
あとで地衣にも私たちのギルドホームに案内しなきゃね。
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