修学旅行(飛行機)
飛行機に乗り込み、東京を離れる。
私たちはA2Oの会社を見学した後にグッズをもらい、次に北海道に向かうことになった。北海道は食材の宝庫。美味しいものが食べられるんだろうなあ。なんて。
「北海道と言えばなんだろね?」
「そりゃあ……ラーメンでしょ?」
ラーメンか。そりゃあ、ラーメンも美味しいだろうなあ。
「王道のジンギスカンもあるね」
ジンギスカンか。ラム肉をたれに……。
各家庭にジンギスカン鍋あるっていうけど本当なんだろうか? そんな常備するものなの? あれ。家でもするのはわかるけどホットプレートとかでもできないの?
「北海道ってものすごくたくさん美味しいものある……。四日間食べ歩く?」
「いいけど太りそう……」
「いいね! いくいく!」
私の提案に素直に乗っかる珠洲と太りそうと心配する地衣。 たしかに太るかもしれないなあ。それだけは気を付けないと。ゲームばかりしてるから運動もしてないし、最近ちょっとぽっちゃりしてきたような……。
……つまむほど肉はないけどさ。
「ここ最近太った気がしなくもないんだよね」
「私も太ったさ。胸が」
喧嘩売っとんのかワレ。
「ああ、私もちょっと大きくなった……」
……。ここは貧乳いないんですか。そうですか。
地衣はある。珠洲も地衣には劣るがある。私? ありませんけどなにか? え? あるだろって言われても違いますよ? オセロ方式にはなりませんからね? 胸ありに囲まれても胸ありになりませんからね?
「……私太ったのってきっとおっぱいが出たから……」
「「それはない」」
……泣いていいですか。
二人とも声を合わせて否定しなくてもいいのに。そんなに私を傷つけるのか。そうですか。私だって将来はでかくなるんだと思ったよ。希望なんて持つものじゃないね。素直に太ったと認めよう……。
「…………けっ」
「ああ、美咲が傷ついちゃった……」
「嘘だよ嘘。あるよある」
……嘘には騙されるもんか。
「……美咲はおっぱいじゃなくてお尻だろ!」
「……安産型ですよーだ。けっ」
「ありゃりゃ」
キュッキュッボンッじゃ嫌なんだよ。ボンキュッボンが嬉しいんだろう? そうだろう……。だって、男性の視線は目につく胸に行くもんなあ。
「美咲って太もものむちむち具合がちょうどいいよね。私好きだよ。膝枕とかされてみたお」
「……太もも」
私はふとももがいいのか……? いや、男性はおっぱいなはずだ。稀に貧乳好きもいるかもしれないが、大体は巨乳好きだろう。
太ももなんて足下見ないって。
……だけどまあ、私にも、エロスはあるんだよね。太ももが……。
「太ももか……」
「そう! 太ももだよっ!」
そっか太ももか……!
「……で、お二人。見られてるけどいいのか?」
「「はっ」」
そうだここ飛行機の中だ!?
このあと、めちゃくちゃニヤニヤした視線で見られたのは言うまでもない。エロ男子め。許さない。
なんで飛行機の中で自分のエロスの話をしてるんだろうねえ。
ミキちゃん案外……。