進化できる方法、教えました
人間の王国を討伐し、ギルドに戻る。
すると、王たちがなぜか待っていたのだった。ミソギ、ガガトツ、ロト、トロフィ、プギー。五人がお茶を啜り、なごんでいる。
なんでここにいるし。
「あ、お邪魔してるぜ!」
「ギルド戦してきたらしいな? お疲れというところか」
「いえ、たいして強くはなかったですし」
あんな馬鹿正直につっこまれてきたら、ねえ?
読みやすくてね。わざとやってんのかって疑うほどだった。
「それで、どうかしましたか? 私たちに何か用ですか?」
用件を聞くことにした。
「実は、数日後にイベントがあるんだ」
イベント? こんな時期にか。
「その内容は東西戦。東軍西軍を分けられるらしい。それで、話し合いをしたかったんだ」
「話し合い?」
どういう話し合いをするんだろうか。それは運営がランダムに決めるんじゃないの?
「東軍西軍は運営がランダムに決める。だが、私たちいるところはそれなりには有利だろう? 特に精霊王なんかはな。だから、制限を設けようという話だ」
「制限……」
なるほど。プレイヤーの合意で制限をかけると。
「で、ちなみに、イベントっていつですか?」
「来月の1日に行われるらしい」
……えっ。
「あの、何日ですって?」
「1日の土曜日だ」
はい? 運営さん。貴方狙った?
「えっと、すいません。私その時ログインできません……」
そう。ログインができない。
理由は、一身上の都合……っていうか学校上の都合だけどもさ。
「その日から修学旅行なんです……。ゲームを持ってきたいんですが壊れたら怖いんでもってくことはしなくて……。なので、ログインできないのでイベント参加は難しいです」
「……タイミングが悪いな」
「……はい」
制限だかなんだかは私には意味がない。参加できないんだもの……。
「……懸念事項だったミキが参加できない以上、制限は軽いものとするか」
私がいたら重かったんですね。私が引き上げた原因となったんですか。
まあ、神だからね……。
「ああ、そういえば。つい先日、迷いの森イベントが発生した」
「まじか!?」
「だが、一向に泉にはつかないぞ? 最後好きなほう行けというが、あれはきちんと答えがあるんだよな?」
「もちろん。ありますよ」
必要なスキルもある。
フラッシュはチリンの話だと誰でも覚えられる技らしい。その技が必須。そういえばフラッシュって存在意義がまるでなかったからみんな取っていないんだろう。
フラッシュを迷いの森で使わせるとは……。
「……答え、教えてくれないか?」
「……」
答え、聞いちゃうのか……。
ただ、教えちゃってもいいのだろうか。いや、もう、いいよな。教えてしまおう。進化している人私たち以外ではほとんどいないだろうし、もう進化はしていいだろうな。
「わかりました。では、まず皆さんに取っていただきたいスキルがありますよ」
「ふむ。わかった。スキルポイントがあるからそれを取ろう。どういうスキルだ?」
「フラッシュです」
「「「「「フラッシュ?」」」」」
一同驚いていた。
「あれはゴミスキルだろ? たんなる目くらましでしか使えないしかも効かないやつもいるやつだぜ? なぜ必要なんだ?」
「最後の道。暗いほうに入ってフラッシュで照らすとその道に通じるからです」
そう。それで私は辿り着いた。
「そういうことかよ……。ゴミスキルをこういう風に使うか……」
「今からフラッシュ覚えよっと! はいとった!」
「盲点だったわ……。ククク、私は不死王を超えた存在となるの……!」
ミソギさん怖いっす。
……まあ、進化できるといいね。
このことはもう広めてもいいかな。秘匿していてもあれだしね。