ギルド戦を申し込んだ
なんとか投稿できた・・・
……そういや、稀にNPCの方が、依頼に来るとは言っていた。立地場所がよければよいほど高貴な方が来る。そう聞いていたけど……。
これは、なくない? 王族の人がくるって……。
「そ、粗茶です」
「うむ」
私とエルリック王は茶を啜る。
正直、緊張はしていない。けど、驚いてはいる。チリンも驚いているんだろう。
「それで、わたくし共に依頼があるという話を聞きましたが」
「……実はの。精霊神様にお願いがあっての」
お願い?
「実は、王城には一匹精霊が住みついておる。じゃが、最近様子がおかしいのじゃ」
「様子が?」
精霊の様子が。
もしかしたら狂った精霊……。そういう可能性もなくはない。
「精霊じゃから、とてつもなく力が強くての。騎士団長もやられてしまった」
「なるほど。私が倒せということですね」
「すべての精霊を司る精霊神様にしかできない頼みじゃ。どうか……頼む」
まあ、別に報酬もらえるならやってもいいだろう。
それに、第二回イベントの時に狂った精霊として出てきたあの子。あの子にもちょっと重なる。狂った精霊は今すぐ浄化しないと……。
「うけます」
《クエスト:王城に住み着いた精霊 を受注しました》
王都には転移魔法陣を使っていけるらしい。
始まりの町にも転移魔法陣は配置されているが使用するための料金がものすごく高いし、王都は装備がいい分物価が高くて初心者などは敬遠してるものだった。
私も来たのは初めて。プレイヤーの姿もちらほらと。
うへぇ。すげーな。
装備も高性能ばかりだし、特上MPポーションなんてものもある。さすが王都と呼ぶべきものなのだろう。
「ん?」
ふと、目についたのは二人の人。
片方はレッドネーム。もう片方はブルー。赤いほうはPKか。何をしているんだ?
「てんめえ……。俺が先買おうと思っていたもんを買いやがって……。俺がどこのギルド所属かわかってんのかあ?」
「ひ、ひいい!」
「攻略最前線を走る人間の王国だぞ?」
またこいつらか。
人間の王国っていうやつらはろくなことしねえな。害悪ギルドの一種だろうに。なんでこういうものばかり聞くんだろうな。
「チリン」
「わかった」
チリンは男に近寄る。
すると、男はキレたようにこちらを睨んでいる。チリンはものともしていない。
「人間の王国だなんだいいますが、黙っててくれますか」
「あ? なんだこら。やんのか?」
「やってもいいですよ。少なくとも、私のほうが強いけど」
「なんだと?」
一触即発。
チリンもちょっと激昂している。頭に血が上りやすいからなあ。
「タイマンだと私圧勝しちゃうかもしれないんで、ギルド戦、しませんか?」
「……俺らにメリットは?」
「私らのギルドがお前らの下につく。それでいいでしょ」
「わかった。後悔すんじゃねえぞ。俺らは、お前らなんか相手するほどのやつらじゃねえ。が、調子乗ってるやつらは粛清しないとなあ……」
ギルド戦、が決まった。
チリンは激昂しながらこっちに戻ってくる。チリンなら勝てる。それも圧勝するほどに。これでも進化して高レベルプレイヤーだから負けるはずもない。
人間の王国は人数が多いと聞いた。
だが、私の敵じゃない。個々の力は弱い。
「チリン。あいつらに格の違いを見せつけようか」
「うん。わかった。その前に依頼を終わらせよっか」
人間の王国はダメですね。もうわかってると思いますが、ね?