ギルドNPC
投稿できないといったな?あれは嘘だ
戦闘を終え、ロトのほうを向く。
ロトに問い詰めることにした。いくらなんでもマナーが悪すぎやしないだろうかって。見てみぬふりをすることはまずできないと思ってほしい。
「ねえ、きちんと教育は……」
「ごめん……」
「いや、いいけど……。さすがにあの人はダメだと思うよ。弱いと思って見下しているし」
「うん。今俺もそう思った」
でしょ?
「気を付けて人選するよ。で、挨拶、だっけ?」
「ああ、はい。隣にギルドホーム立てたってことで挨拶を……。さきほどもしましたね」
「そうだな。まあ、お茶でも出すよ」
案内されて向かったのは応接間。
私のギルドにもあるが、こちらは騎士の甲冑が置いてあったりとかものすごく神殿っぽい。私は周りが木なのに……。
「そういや、今日、私のところに泣きついてきたプレイヤーがいるんだよ」
「泣きついてきた?」
「さっきみたく厄介払いされたって言ってたよ。しょうがないから私のところに入れてあげたけど……。たまには顔を出してみたほうがいいんじゃないかな」
「うん。顔を出すよ。抜き打ちでこっそりとね」
来たとわかれば隠してしまうからな。現行犯ではなかなか見られないだろう。
「大手ギルドとなると有名になるし、人数も多くなるんだよね。多くなると流石に一人じゃ見切れないっていうか……。現実っぽいよねほんとに」
「会社みたい……」
こういうのって本当に異世界に来たって感じがするね。
「NPC雇ってもよかったんだけど、あの子がやりたいっていうからやらせたんだ。今度からはNPC雇うよ。毎月お金かかるけど」
「雇うこともできるの?」
「ああ、できるよ。受付とか必要でしょ? 俺たち全員いなくなる時もあるし、NPCを駐在させておくことも可能だよ。一人につき毎月15万。給料って感じだね」
消費税とかこの世界にはないし、15万もかかるのか。それはさすがに嫌だな。お金はあるけどもさ。
「まあ、グレードによって変わるよ。普通のなら11万程度かな。粗悪NPCなら5万っていうレベル。15万はえりーとみたいなかんじ?」
なるほど。
「俺は勇者ロトっていう肩書があるしプレイヤーの人からも支持されているからそれなりの稼ぎはあるけど、普通なら粗悪品を選んじゃうよ」
「粗悪品……か」
「粗悪でも調教すれば普通までにはグレードアップできるからね」
調教。イケない響きだ。どんなことをするのだろう。
……私って結構煩悩あるね。
「NPCの話はこれくらいかな? ギルドに関しては俺も全部把握しているわけじゃないしね。ただ、一つ言えるのは、毎月の稼ぎは安定しないってことぐらいか」
「ああ、依頼の数も違いますからね」
「そうだね。毎月一人はNPCの依頼者は来るっていう説明はある。ここは一等地だから貴族様のお願いを聞くんだけど、どんなお願いを聞くかによって報酬も変わる。難しければ難しいほど、その報酬は上がっていくんだ」
と、その時だった。
「失礼します! ミキさん。受付にギルドメンバーが来ております」
との報告を受け、下に向かうと。
そこにはチリンが立っていた。
「早く来て!」
と、腕を引っ張られギルドに行くと、頭に冠を乗せた人が、受付の前に立っている。
鑑定してみると、驚きの人物が浮かび上がった。
アドバンス王国 国王エルリック・アドバンス。
この国の、王様である……。