劇的? びみょーアフター?
ギルドホームを増築……ではなく、建設するらしい。
一等地を購入し、私たちに合うようなものをつくると意気込んでいた。なんだか申し訳ない。一等地って私の残金と大体同じ値段するよね……。
で、ギルドが建てられた。
ここには私とチリン、エルルゥ、みるきー、ルルーク。始めたばかりの四人と第二陣の人がいる。
「こ、これ無料で作ってくれたのか……?」
「おうよ! いい仕事したぜ!」
目の前にそびえたつのは森。
家……などではなく、森。ホームというより、森。英語でフォレスト。
……家ですらなかった!?
「名付けて、精霊の森! 精霊の守護者にぴったりだぜ!」
いや、ホームだよね? これ完全に建物じゃないよね?
「いや、ギルドホームって呼べるのか微妙な線だな……」
「ギルドまでなら通じると思うけど……」
「問題はホームだよね」
ギルドにはたまにNPCも依頼に来るという話を聞いた。
建てる土地がよければよいほど高貴な人がくる。一等地なら、貴族も来るっていう話を聞く。貴族の人を森に入れるの……? 大丈夫?
「もりー!」
「そうだな。森、だな」
と、とりあえず中に入ろうか。
森の中は道ができている。
そして、分岐していた。私の部屋もあるそうで、分岐しているところに看板がある。精霊神の住処……。いや、いいけど、嫌な予感しかしない。
私たちは、まず私の住処と建てられている場所に向かう。
……泉!
綺麗な泉だなあ! 神様がいそうだ……! 神秘的でいかにも精霊が好きそうだよねーって、なにこの匠の技!? 小さい小屋も立てられているけど、泉がメインだよね?! 一等地の敷地これほぼ使ってるよね!?
「……似合うな」
「どこが!?」
「ほとりに立ってこっちを見てみて」
私はほとりに立つ。
そして、チリン達のほうを向いた。
「こ、神々しい……!」
「……もうつっこまない」
この場所が何かはわかった。けど、私には大きすぎるよ……。
私は来た道を戻り、今度は練習場と書かれた場所に向かう。そして、進んでいくと魔法練習所と剣術練習所とまた分岐していた。
これは有難い機能だね。
「これはいいな。練習できるのか」
「おう。しかも破壊不可を使っているから破壊はできないぞ。また、キルも不可能としてある」
嬉しいなそれは。
ニーズにこたえているのか。
「さて、戻って次の部屋だぜ」
と、次は三番目の道にいく。すると、また分岐しているのだった。
「まっすぐ行くと、ギルド員の集まり場で、右に行くと応接間」
「受け付けは入口にとりつけてあるからな。応接間は対応するための部屋だ」
おお、ホームと呼べること以外はきちんとしている。
これが匠の技か……。
「ギルド精霊の守護者にぴったりのホームだ! いいだろう?なあ?」
とニヤニヤしながら見ている。
まあ……いっか。ギルドってことは変わりないし、森とか自然があるようなほうが精霊の守護者にふさわしいんじゃないかな……。
まあ、ものすごく目立つけどね……。
そして、このギルドの売りはというと。
隣に勇者が作ったギルドがあり、もう片方の隣には魔王が作った城がある。
見たんだけど、魔王が作ったギルドは魔王城のように禍々しく、勇者が作ったギルドは、神殿のように作られている。
そして、間に精霊の森。なんだこの立地。なんで勇者と魔王に挟まれてるの?
そしてなにより偶然なのが、王たちが興したギルドが、集まっているというね。
……近所づきあい大変ですわー。
ややこしいかもしれないので簡潔の述べると。
入り口からまっすぐ行くと目の前に三つ道があり、そのまままっすぐ行くとギルド長の部屋
右に行くと応接間やらなんやらあり、左に行くと練習場があります。
精霊の森の右隣りには勇者、左には魔王、右斜めには獣王、前には不死王、左斜めには妖精王がいます。
それぞれイメージのようなギルドを立てており、獣王は岩場みたいな感じ。妖精王は草原、そして、不死王は墓場です。
なんで固まったし。