イベントの予兆
ログアウトして翌日。
学校では妙な気だるさと私は戦っていた。
「珍しいね。休み時間突っ伏してるなんて。VR疲れ?」
「そんなところ」
最近A2Oを長時間プレイしているせいで体に疲労がたまっている。
VRをしている間は動かなくなるために筋肉とか動かせていない。それで疲弊が溜まってくんだろうなあ……。
今日はプレイするのをやめようかな。
「あ、そういや、知ってる? 限定種族全員に限定クエストあったんだって。私の知り合いが限定種族当たったらしくて大変だったらしいよ」
ああ、まさに大変でしたよ……。ゴミ拾いだけだと高をくくっていたら戦闘が始まったんですもん。油断大敵でした。まぁ、ナパームには敵わなかったけどね!
「……ってその話し方だとちぃもA2Oやってるの?」
「弟に誘われてねー。やってるよ!」
ちぃというのはあだ名。本名は真田 地衣という名前。地衣がちぃとなった単純な名前。あだ名なんてそういうものかな。
ちぃは兄妹が多くてちぃは三女。長男は立派に働いて結婚もしてるらしい。
「名前教えてほしいな! フレになろうよ!」
「いいよ。私ミキって名前でやってるから」
「私チイって名前でやってるから!」
そのまんまだな。
「今日5時くらいに噴水の前に集合でいい?」
「うん。いいよ」
そう約束を交わし、私は午後の授業を終わらせた。
家に帰ってきたのはちょうど五時くらい。
チリン……もとい珠洲と一緒にバスに乗ってさらにそこからチャリ。私たち住んでいるところが田舎なためにバスもあまり来なくて大変なのよね。
まあいいや。約束してるしさっさとログインしてフレンドになろう。
ヘッドギアをつけ、電源をオン――にしようと思ったやさき、私の部屋の扉が勢いよく開かれた。ギアを外し犯人を見ると案の定珠洲だった。
「……どうしたの」
「大変だ大変だ! 早くログインして! 今大変なことになってるから!」
……変なこと?
いや、それはいいけどさっきログインしようとしていたんですが。あなた来るの遅いよ。貴方のせいで少しロスしちゃたじゃないか。
まあ、早くログインしよう。
ギアを装着し、電源を入れる。
現実での感覚がなくなっていくと同時に、私は目を開く。すると、空はとても黒かった。雷が落ちているのかゴロゴロという音が響き渡り、雨も降っている。
髪の毛とか濡れていないのだが、雨までリアルに再現されているとはすごいと思う。
でもこれだけ?
「よく聞け人間ども! 私は女神カーリ。破壊を司る神様である」
と、女神カーリと名乗る幼女。
あの子がカーリなの? というかカーリってカーリーから来てるよねぜったいに。
「ついに! この世界に三つの王がそろったことだろう!」
女神カーリは、不敵に笑う。
――って、三つ?
「……三つの王がそろったことだろう!」
押し通した!?
「フハハハハ! 私は人間どもと戦うことを望んでいるぞ! だが、簡単に私と対決するのもつまらない。だから、選別会を行ってやることにしたぞ!」
選別会?
「なーに。簡単なことじゃ。10万を超える我が軍勢を完膚なきまでにとは言わんが叩き壊せ。我が軍団に一撃で百万を超えるダメージ……。五千体敵を倒せ。どちらかをクリアしたら次の試練に向かわせてやろうぞ」
次ということは、まだ試練はあるらしい。
……で、これはなんだったの?
というか、チイと待ち合わせしてるんだった! 行かなくちゃ!
眠くて何書いてるかわっかんないよ!!