レッツ、ダンジョン! ②
ミミックとの戦闘も終えてひと段落。
罠やミミックがいると思うと宝箱も迂闊に開けられないな……。
「あの鬼が行った。いこうか」
先へ進む。
まっすぐ行くと階段があり、降りていく。第二階層。までやってきた。何階層まであるかはわからないが、ここも警戒しておいて損はないだろう。
先へ進むにつれ引き際を見極めることも大事となるからね。
私がこの中では一番だ。私が先導していこう。
「誰かいる?」
聞こえてくるのは足音。
二人……、いや、三人か。三人組のパーティがこの中に潜んでいるらしい。もしもPKだったりした場合は最悪だ。
このダンジョンで下手に騒ぎたくはない。
「アガルタは盾を構えていて。誰かこっちに来るから」
「わかった」
警戒することに越したことはない。
隠れながらもちらりと見てみる。知らない人だ。知らないからこそ怖い。
「ん?」
「お?」
目が合った。
「うわっ!?」
男の人が驚いた声を上げる。
すると、耳ざといモンスターが聞きつけたのか早速やってきた! しかも、私の後ろから!
くぅ!
「モンスター! 戦うよ!」
「わ、わかりました!」
私は魔法を唱え、モンスターに飛ばす。
モンスターは一発でやられてしまった。……あれ?
「ワンキルってやべえな……」
「嬢ちゃん何者だよ」
男のパーティも驚いていた。
「……俺の予想だと魔法使い……。なら、もしかしてアルか?」
「いや、違います」
アルってそもそも誰?
「ふむ、他に魔法を使うトップいたっけか?」
「いるだろ。一人」
「あー、けど、あっちは王だろ?」
「王じゃねーの。そいつ」
「……聞いてみる?」
「おう」
と、何か話している。男の人はこっちを向いた。
「貴方はもしかしてミキさん?」
「え? そうですけど」
「「「まじかあ!?」」」
男の人二人と女の人一人は驚いている。
私がここにいてなんで驚くんだろうか。いや、ダンジョンに潜ったことはなかったけどさ。プレイヤーを鑑定してみるとそれぞれ、ユート、タイキ、ミソノっていう名前だった。レッドネームでもオレンジネームでもなく普通に青い名前だったのでPKではない。
「ミキさんがなぜダンジョンに? ダンジョンはレベル上げるためのとこですけど、ほぼ最高レベルじゃないですか」
「うーん。今回はギルメンの練習のためにね」
「ギルメン?」
「こっちの三人です」
と、三人が挨拶をする。
「初心者ですけどここまで来させました」
「……第三陣のやつらか?」
「はい」
「はあ!? そいつら実質三日だろ!? どうやって……。そっか。精霊王がいればパワーレベリングも可能だよな……」
はい。パワーレベリングしました。
レベル5でゴブリンキングとつらせてそのまま第二層で時計台の代わりのクエストやって苦手なあの看守長とまたやってきて今に至ります。
まあ、ボスは大体自分の力でやってもらったけどどうにもならないところはサポートしました。
「まじかよおい。精霊王末恐ろしいな」
「そう言ってもらえるとなんだか私が怖いみたいになるじゃないですか」
「事実怖いぞ……」
「敵に回したくねーわ」
「同感」
なんだか恐れられた私だった。