絶望と憎悪の精霊王 ①
第四層にまた再び舞い戻ってくる。
妙に心地のいい街だ。なんて思いつつ外に出て精霊の平原とう場所で狩りを行っていた。
狩りというよりかは、必死に素材集めというか。
なにしろ精霊ウサギの皮はウサギの皮より上質らしく使い勝手がいいとのことだ。それに、精霊ウサギの肉も美味しいらしい。
自然を愛する精霊。弱肉強食も自然の摂理。すまないね。ウサギさん。
生きるためなんだ! 許してください!
なんて心で謝りながら狩っていた。
「ぐぎゃぎゃ……!」
「狂った精霊……。うん。精霊。狂うのは何か辛かったんだろう。すぐ楽にしてあげる」
精霊魔法をうち消滅させる。
狂った精霊は精霊神ですら刃を向ける。それがちょっと怖かったりもする。小さい子供のなりをしておきながらその眼は絶望と憎悪に身を包んだかのようで。
誰もかれもを憎んでいる、そういった感じがするんだ。
「狂いながら生きていくのは辛いと思うよ。だから、楽にしてあげる」
なんというか、楽にしてあげなきゃという感情が湧いた。
狂って生きていたって楽しくない。可哀想とかいう気持ちも沸く。葛藤こそ私の中の魔物……! 運営め、葛藤という強敵を放つなんて……!
ん?
なんだこの黒い靄。
《絶望と憎悪の靄に憑りつかれました》
《あなたはプレイヤーの敵と認識されます。なお、倒されると解除されます》
えっ。あ、あの?
とりあえず私を鑑定してみた。
――――――――――
狂った精霊神 Lv.50
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は?
すると、魔物が現れた。なにやら黒い靄に包まれた魔物。やばい! やらなくちゃ!
「精霊魔法”火”!」
火を放つと、その魔物は消えていた。
な、なにこれ……。さっきの黒い靄に包まれた魔物見たことがない! あれはなんなの!? さっぱりわからない!
※あるプレイヤーの視点
第四層を探索しているとなにやら人の姿見えた。噂の精霊神だ。
「おーす、なにしてるんすか……」
すると、急に火の魔法が放たれて、俺たちの目の前は真っ暗になったのだった。意味わからない。あの人を鑑定する暇もなかった。
もう一度行ってみるとその人はその場にとどまっていた。
人間とは到底思えない闇と思えるような真っ黒い肌をしており、狂った精霊と同じ……。
鑑定!
――――――――――
狂った精霊神 Lv.50 HP:400/400
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お、おい。嘘だろ? 精霊神って、俺が知ってる精霊神は一人しかいねえぞ?
ま、まさかあれはプレイヤーの、ミキさんか? だ、だけどなぜモンスターになっている!? 倒さないと被害がやばいし、というか、放置しておくとまずい!
プレイヤーもモンスター化するのかよ!
これがまだ他の王なら対処できたかもしれないけど、よりにもよって精霊神を選んじゃったかあ……!
とりあえず、みんなに報せを出そう!
絶望と憎悪ってドラ〇エ9…作者今頃またはまりだしました。ドラク〇9
まあ、あとこの状態ってギルメンでもフレンドリーファイアすることができるようになっちゃいましたーって感じなんであまり支障はないっす。
はい。あと、ボスになっちゃいましたミキさんが通りまーす。