三人を鍛えましょう
三人は慣れたのか各々戦えるようにはなってきていた。
そして、今度はPvP。もちろん本気を出してもらうためにマシュマロに来てもらったのだった。マシュマロを借りたのはちょっと申し訳ないけど付き合ってもらうことにする。
「姉さん。それで私にやってほしいこととは!」
と、食いつき気味で寄ってくる。
「えっとね、あの子と戦ってみてほしいんだ。マシュマロが一番あの子に近いから」
「えっと、戦うだけでよろしいのですか?」
「うん。驚いてもいいけど、勝つつもりでね」
「かしこまりました!」
と、マシュマロが自信満々に戦う。
そして、アガルタとシャンバラのほうはというと、切り拓くバカ共の方々にご協力を扇ぎました。快く受け入れてくれて、その代り今度クエストを手伝うという条件は追加されたけど。
「んじゃ、ニル。この子も王だから頑張ってね。勝つつもりでやるんだよ」
「わっかりました!」
結果は全員負けてしまった。
予想はしていた。
「なんですかあれ! ドラゴンになるなんて聞いてないですよ!」
「言ってないからね。でも勝てたんだし」
「ただのHPが多いやつですからね。楽勝ですよ」
まあ、一応マシュマロは第二陣だから少しは成長しているってことだしな。
「ニルもお疲れ。もっと戦い方を工夫した方がいいね。図体のデカさを生かしてなにかするとか、防御を上げるとかして厄介な存在になっていかないと」
「そうですね! はい! 精進します!」
ただ、末恐ろしいということだ。
マシュマロはレベル36。一方ニルは11。差はあるのにマシュマロが圧勝できなかったということ。同レベルになるともはやボスとなるだろうこの子はやばいと言える。
一番厄介になるんじゃないだろうか。ぜひともうちのギルドに入れたい。
「見てたけど竜王かよ。あれか? ”世界の半分をお前にやろう”とかいうのか?」
「そしてはいを選ぶとゲームオーバーですよね?」
「お? 知ってんのか。初代ドラ〇エ。あれものすごく前だし知らない人のほうが多いんだが」
「昔レトロゲームも好んでまして」
「レトロゲームもいいよな!」
気が合いますね私たち。
「ふへえ疲れたぁ」
「ガデムさん強すぎる」
「まあ、一応精霊の守護者には後れを取っているがトップギルドの一人だからな」
「精霊の守護者? なにそれかっこいい! 私はいりたい!」
と、シャンバラがそう言っていた。嬉しいね。
「ちょっとそのリーダーの人に会わせてくれません!? 私頼んでみるっ!」
「いや、君たちはすでにあってるよ?」
「まじですか!? 通行人の中にいたのかー!」
と、残念がるシャンバラ。いや、目の前にいるけどね。
「いや、目の前にいるだろ」
「そうそう。このお方がギルマスです」
と、私が前に出される。
「改めまして精霊の守護者のマスターのミキです。マシュマロはギルメンです」
「おう」
「近くにいたあああああ! ぜひ! ぜひとも私をいれてください!」
と、手を握られてそう懇願された。
まあ、いっか。チリンにも一応報告はしておくし。
「なら僕も! 僕も先生のギルドに!」
「ふむ、私だけ別のというのもなんだか嫌だな。私もいいか?」
と、二人も加入することになった。
後日チリンは王が三人いるということにパニックを起こしていた。