第三陣がきた
第四層エリアの敵をまずは調べてみた。
狂った精霊や精霊ウサギ、精霊カモシカ……。またカモシカ?
そんなこんなで第四層を満喫しています。
「何か困ってることはありますか?」
「精霊神様! 実はですね、うちの精霊が狂った精霊に連れ去られてしまいまして……」
「連れて帰ってくればいいんですね」
とクエストを受けている。
キークエストがあるかもしれないというのと、まあ、今までボス戦しかやってきていないために休息を淹れるのもいいかなと思った。
第四層エリアにも着々とプレイヤーたちがやってきている。
そして、第三陣新規プレイヤーたちももうそろそろ来るはずだ。発売してはや二か月……。いや、もう二か月というくらいかな。いかんせんボス戦のペースが速いから……。
いや、たんに積極的にやりすぎただけか……。
まあ、それはいいにせよ、一つの懸念がある。
それは”王”
第二陣で追加された機械王……。たぶんそろそろもう一人の王が追加されるはずなんだ。リーク情報も出回っていて、次の王は魚人王……。水属性に秀でた王とか。
でも、今のところ王が追加されたというアナウンスはない。
《新たな王が追加されました》
《新たな種族が解放されました》
今来るのかよ!?
ということで、ちょっとだけ新人を見に行こう。第三陣プレイヤーの中で有望そうなのを探してみるとする……。
まあ、入れるのは相談してからなんだけど……。どこにいるか連絡とってないしな。
というわけで第一層に行こうか。
噴水広場の前。
変装しているけどバレバレの王たちがいる……。ガガトツさんに至ってはもう変装する気ないし、トロフィさんは興味なさげだ。
ロトさんとプギーはノリノリ。マシュマロはいない……。ミソギさんはなんだか怪しげなポーションを配っている……。
「みんな興味あるんだなー」
なんていううちにプレイヤーがログインしてくる。
みんな新規装備だ。初心者ということがわかる……。そして、ステータスを見て嘆いている人もいる。
ん?
なんか怪しげに剣を構えて新規プレイヤーに向かう人がいる。
PKかな? 近づいて聞いてみよう。
「あのー」
「…………ちっ」
と剣をしまってどこかに行った。
一応鑑定してみるとレッドネーム。PKでした。
新規プレイヤーをキルしようとしたんだろう。だが残念でしたね。私がいたから阻止した。というか、性格悪いプレイヤーもいるんだからちゃんと気を付けないとね。
「すいません、戦いに行きたいんですけど、モンスターが出る場所ってどこですか?」
「あ、えっとね、この道まっすぐ行ったら平原につくからそこで闘うといいよ」
「ありがとうございます」
お礼を言って平原に向かっていった。
まるで初心者の頃の私みたいだなあ。すぐに戦おうってなった。ふふ、血の気高いな。
「俺の目標は王と呼ばれる奴らを全員倒すことだぜ!」
「かっこいいキュータくん!」
なんか高らかに宣言している人もいる。
「でもいいの? 明らかに強そうな装備の人ばっかだけど……」
「まずは手慣らし! 弱っちい奴から戦いを申し込む! ……えっと、お前だ!」
と、私が指さされた。
弱っちい?
「うん、いいけど……」
「そうこなくちゃな。あんたみたいな貧弱装備しているやつには負けないぜ」
「うん?」
たしかにこの装備もう私には合ってないかもな。ローイさんに頼んだら作ってくれないかな。
《キュータからPvPを申し込まれました。承諾いたしますか? はい/いいえ》
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