精霊都市ファンタジア
話があるとチリンに呼び出される。
そして、その時言われた言葉は……。
「ちょっとの間だけどさ、ミキ一人で行動してもらえるかな?」
と、言われたのだった。
理由はわかんない。けど、必要なことなんだろうからするけど、ちょっと寂しい……。
「そんな寂しそうな顔しないでよ! いつもボス戦とかミキありきだったでしょ? ミキいないと私たち何もできないから、ミキいないときのために訓練だよ! ハブるわけじゃないよ!?」
な、なんだ。
たしかに今までのボスは私全部やってる……。
「わかったよ。じゃあ、ちょっとの間ギルマスはチリンね」
「うん。現状は報告するよ……。本当にごめんね」
ということで一人でやってきました第四層!
一人で第三層を横切るのは怖かったけど、やってきました。
第四層は精霊都市ファンタジア。
精霊魔法が主体のこの街。周りが森に囲まれていて真ん中にはどでかい精霊樹が生えていた。あの精霊樹の周りに都市が栄えているという感じか。
いうなればこれって私のための街だよね!
で、街に入ると……。
「あの方……ただものじゃないわ」
「うちの精霊が……! あの方の元に……?」
「精霊様が、あの方……? あの方は誰だ!」
と、NPCさんが喚いてました。
そして、淡い光の玉が私についてくる。
「ついてこなくてもいいよー。ほら、戻りなっ」
というと、精霊たちが私の周りを一回りして戻っていく。
というか、前に精霊と出会ったとき幼女の形してたよな?え、今度は姿見えないの? 道行くNPCに聞いてみた。
「下級精霊はまだ姿を顕現できないぞ?」
「ありがとうございます。そこの精霊さん。この人に仕えてくださいネ」
かしこまりましたかというようにNPCの周りを舞っていた。
「精霊が生き生きとしている……?」
すると、今度は私の周りに幼女が集まってくる。
多分上級精霊の子だろう。結構数が多いな!
「せーれーしんさまだー!」
「精霊神……だと?」
周りの皆さんはなんか傅き始めた。
えええ!? NPCに傅かれる私って一体!?
「こ、この街にいる精霊王様に伝えろ! 精霊神がやってきたと! 今すぐにだ!」
「精霊王様でも力が強いのに、その神様……! 丁重にもてなせ! 粗相がないようになあ! 不興を買うな! この街が終わるぞ!」
あ、いや、そこまで重大にしなくてもいいですよ!?
あの、この町の観光とかをしたいだけなんでええええ! やめて! そこまでやめて! というか、NPCの技術高え! 一人の人としてプログラム上に生きている!
技術力の高さに感服いたしますぞ……。
って、そうじゃなくて!
ここは精霊王様だけに特殊なものがあります。
他の王もエリアは違いますが会って、マシュマロは第二層エリア、第三層エリアは不死王、第一層エリアは勇者ロトさんです。
もう、わかりますよね?
残りは魔王、獣王、妖精王の三人ですから。
まあ、エリアはいくつになるかわかりませんけどね。