闇に思うは妄執の罪 ②
幽霊看守長はこちらに突っ込んでくる。
それを躱し、魔法を放つのだが、如何せん効いている様子はない。だけど鑑定したら減っていることが分かった。
280くらい減っている。一発280か……。
精霊神でプレイしていたらめちゃくちゃ簡単だっただろうなと思いつつ、魔法を放つ。
「えっと、そうだ! この筆!」
ルルークが筆を手に取り、思い切り振るとインクが飛んでいった。
インクは幽霊看守長と私に少し当たる。インクって幽霊にも当たるのか。なるほど。
って、前にインク触れて絵になった。絵になるのかな。もう一度……。
「馬鹿め! そのインクは私が放つからこそ意味がある! お前らみたいな美しさもわからん低俗なやつになど扱えるものか!」
なるほど。なら絵にならないな。
「ふははは! わしに逆らうと死刑になるっていう法律があることしらんのか!」
と、どんどん薄くなっていく。
き、消えるのだろうか。いや、そんなことはなかった。だって、インクでまるわかりなのだから。自分は透明化できてもインクまではできないらしい。
なるほど。これが攻略方法か。
「そこだぁ!」
「なぬぅううううう!」
インクで丸わかりなんだよぉ! 頭隠して尻隠さずってまさにこのことだ!
バカだなあ!
そして、体力を半分削ったところで、看守が震えだした。
「愚鈍どもが……! わしに逆らうなどおおおおお!」
それは、変化だった。
看守長に肉体が戻る。いや、実体ができたというのだろうか。ものすごく巨大な肉の塊が目の前に鎮座していた。
それは、もはや醜い……。
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ネクロキング Lv.45 HP:8000/8000
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なるほど。こうなるのか。
物理攻撃は効くようになった。ルルークたちの仕事ができたのだ。
「ひるまずかかれ! まずは行動パターンを見よう!」
そういうと、ネクロキングはまずその肉の塊から骸骨を飛ばしてくる。
骸骨といっていいのか、怨霊だと思う。それを火魔法で相殺していった。
MPポーションを一気飲みする。
「ジャンヌ! 剣で攻撃!」
「かしこまりました! ”居合切り”」
ジャンヌが剣をふるう。
肉の塊が一部削がれた。体力も減っている。これってもしかして……。
「ジャンヌ! サン! 剣で肉を削ぐ! ルルークは飛び道具を矢で相殺! ソゥはMPポーションをこの場で作ってくれない? ユキショウグンは回復に徹してね!」
そう指示を出す。
たぶん、肉をそいでいったらいい。これが正規の攻略かわかんないけどこうしてできるならいいだろう。
「あいさー」
「主の命令とあらば」
サンとジャンヌは剣を持ち突撃していく。
さて、勝負といこうか。看守長殿。