踊りくるう看守の長 ②
目が覚めたら家の中にいた。
少女……? 目の高さは変わらないってことは私と同じくらいの身長か。ふむ、この体に魂がうつったってことだよな。
鑑定してみよう。
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名前:キャベツ 種族:上級精霊
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キャベツ?
上級精霊? なんだそれ。
まあ、ステータスを見ていくと火属性の魔法を使えるらしいな。MPも精霊神より少ない。いや、精霊神が多すぎるだけなんだけど。
それに、火魔法はレベル8か。要するに弱体化したってことだな。
まあいいや。ギルドホームに戻って説明しなくちゃな。
ギルドホームに戻るとちょっと騒がしかった。
なにやら私の絵が飾られていて、それに祈りを捧げているギルドメンバー。いや、なんか葬式っぽい雰囲気なんだけど……。
「お客さん?」
そ、ソゥ様!
「どうしたの? ちょっと鑑定させてもらうね。えっと、キャベツ、上級精霊……。精霊? ああ、なるほど。興味があったのかな」
「なんか勝手に納得してるし……。私だよ。ミキ」
呆れつつそういうと、みんな固まっていた。
「ミキは死んだんじゃ……」
「勝手に殺すなチリン! 生きとるわ! こっちの体に移されただけじゃ!」
「ほ、本当にお姉ちゃんなの?」
「そうだよ。絵にされる前にNPCの体に魂を移しますって聞こえたからさ。そのせいだと思う。まあ、めっちゃくちゃ弱体化したよ」
それも事実。
火魔法しか使えなくなった&魔力量もめちゃくちゃ少ない。正直慣れないよ。
「ったく、心配させないでよもぅ」
「だが無事でよかったじゃないか」
「じゃないかー」
みるきーちゃんお姉ちゃんの真似して可愛いな。
「ふむ。じゃあ、役者もそろったし全員でボスに乗り込むか」
「うーん。それもいいけどまだやることあると思う。あの絵にされるのを防ぐ方法があると思うんだ」
あれは厄介。
一度当たると絵になるというのは当たるの禁止ということだ。なら、何かしなくちゃいけないってことなんだけど……。
まずそれを探すべきかもしれない。
「それを探そう。なにか道具とかイベントがあるはず」
「わかった。また手分けしてそれをすればいいんだな」
「うん。まあ、ちょっと予想はあるけどね」
「予想?」
私の予想。
看守を倒せば倒すほど弱体化するというか、絵になるのを防げるんではないかということ。だから、みるきー、ロックに魔法を使って看守を倒せという命令をしてきた。
私の方は看守三人目。
精霊神なら不意打ち一発で終わったけどこの体だと三発打たないと死なないためやりづらい。
「よーし。今度は私がやっちゃおっかなー」
と、ソゥがローブをまくっていた。なにか道具を取り出した?
「あの看守めがけて……ぴっちゃーなげましたー!」
思い切り持っていた瓶を投げる。
すると、幽霊看守が溶けだした。えっと何投げたんだろ。
「聖水。お化けにはこれだよ」
なるほど! 聖水なら錬金術だね!
そんなこんなで幽霊看守を倒しまくっていた。
第四層の章タイトルどうしよっかなー。
どういう風な路線かは決めてるんだけどなー。どうしよっかなー。
洒落た名前つけたい。作者のセンスダサいけど