踊りくるう看守の長 ①
あった……。
地下にいく階段が。ここが多分地下に……。
よし、行こう。
中は暗い。
光魔法で照らしつつ前に進む。壁は牢屋のように格子があり、鍵がかかっている。その中には人の骸骨とかがあった。
一番と書かれた牢屋は……。
あった。一番奥に1と書いてある牢屋が。
「うわぁ。なんかとんとん拍子に進んでいくね」
「いつもこういう感じなんですよね。意外と簡単というか」
いつも予期せぬ形で発見がある。
なんだろう。神様が見つけやすいようにしているのか、単純に運営がそういう簡単なことしかできないのか。
どっちなんだろうか。
「牢屋の中はなにもなさそうだね。うーん。他の牢屋も何もなさそうだし、見当違いかな」
「いや、そうでもないんだなあこれが」
発見した……いや、してしまった。
牢屋には机と骸骨、そしてトイレくらいしかない。ように見えるが違う。
この世にドラ〇もんはいない……。ってのは常識だけど、ちょーっとね。ここに通路があるのはおかしいんじゃないかなって。思ってる。
「この引き出しを引いてください」
ソゥが引き出しを引く。すると、階段があらわれた!
そう。ドラえ〇んよろしく引き出しの中に階段があった。
ここに何か……。
「入ってみる?」
「う、うん」
怖いけど入ってみた。
私が最初に入り、二番目にソゥ。奥へと進んでいくとある人物がいた。青白い……けど、看守の格好をした人がいる。
誰だろうこの人。
「生きてる人間だぁ……」
「ひいっ」
「ソゥ私の後ろに!」
その人は立ち上がる。
そして、鑑定してみた。
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狂乱の幽霊看守長 Lv.40 HP:3000/3000
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ボス、だな。どう見ても。
「お前らも、絵にしてやるぅううううう!」
と、インクを飛ばしてくる。
どうやら絵画趣味がおありのようで!!
まあ、魔法で相殺を……!
「そのインクは魔法効かないぞぅ!」
まじかいな! 躱して……。いや、ソゥ様が! 避けないで私が受けるしかない!
そして、私がインクを受けてしまった。
《ミキというキャラクターが絵にされてしまいました》
《ミキというキャラクターは一時的に使用不可能となります》
《あなたの魂はNPCに移ります》
えっ。
な、なんだよそれ。き、聞いてない! 絵にされるって……。使用不可能ってなんだよ! なんだよそれえ……!
「逃げて……ソゥ!」
そう言い残して私は目の前が真っ暗になった。
※ソゥ視点
目の前には額縁が残されていた。
描かれているのはミキ。
も、持って帰んなきゃ!
そしてにげるぅ!
ミキの絵を隙を見て回収し、そのまま来た道を一心不乱に走っていく。
後ろを振り返る余裕はない。ただ、あのボスらしいものから逃げるのみ。自分の外見など気にせず走っていった。
「あれもしかして……!」
「女優の……!」
「まじで本物!?」
そういった声も聞こえるが気にしないで走っていく。
ぎ、ギルドホームに戻らないと!
あ、いや、ギルドホームに帰還って押せば帰れるんだった! はやく!
ギルドホームに戻ると、みんなが揃っていた。
「おかえり」
「……ただいま」
みんなは笑顔で迎えてくれる。
「みんな! ちょっと緊急事態!」
「どうした?」
「こ、これ!」
絵をみんなに見せる。
「うわあ、ミキの絵?」
「すごいな。これがどうしたの?」
「ミキがこの絵の中に閉じ込められちゃったの!」
「「「「「「「「「「はぁ!?!?」」」」」」」」」」
簡単じゃねえよ。お前の運がめちゃくちゃいいんだよ。
というか絵に閉じ込められるってそれってもしかしてルイ〇ジマンション……。