第三層エリア攻略に本腰を ①
オフ会もたけなわ。
もうそろそろ終わりそう。途中参加してきた真野ちゃんとたくさん話しながら私はフライドポテトをつまんでいた。
「あっ、そうだ」
チリンがなんか思いついたようだった。
「これから精霊の守護者として、よろしくお願いいたしますね」
A2Oに戻り、ソゥちゃんの挨拶が終わる。
精霊の守護者メンバー12人。そこそこの人数、かな。うん。まあ、そこそこってしておこう。ふふん。やっぱり真野ちゃんはいつみても可愛いなぁ……。
「これから第三層を攻略する……。とはいっても二人で行動してもらう。まだ呪いの館以外には行っていないから第三層エリアを深く知っておこうか」
チリンがそうしきっていた。
……私じゃ力になれなさそうだけど……。
「まあ、不満はあるだろうがミキは組む人を決めた」
「えっ」
私が足を引っ張ってもいいって許可してくれる人……?
「ソゥとペア。どうだ?」
「やります!!!」
真野ちゃんと一緒だぁ……!
「えー、私お姉ちゃんとやりたい!」
「お姉さまと組みたいぞ!」
「主を傍で守るのが騎士の務め。どうか私に……」
うぉたぁ、マシュマロ、ジャンヌの不満がチリンに向かっていた。
いやいや、私は満足です。真野ちゃんと組めるなんて夢みたいです。いいの? 私とやっていいの? ねえ。オッケーなんですか?
「ダメ。第三層エリアに限ってはミキが一番ポンコツだ。だからミキが好きな人と一緒に行動してもらえば中和出来るだろ」
「むしろそれ以上になりそうだな」
「愛の力ってすごいね」
ふふん。真野ちゃんがいるなら私は無敵。だれも真野ちゃんには近づけさせないよ? ボディーガードだからね!!ふふん。
「他は好きに決めてくれ」
「私おねーちゃんと組みたいけどお化けいや……」
「じゃあみるきーはお姉ちゃんとここで待ってよっか」
「うん!」
どうやらエルルゥは居残りだそうです。
「あ、そうだ。みなさんペア決まったら一度私のところに来てね。お化けに対抗できる薬あるんでそれを目いっぱい渡しまーす」
「魔法防御と呪い耐性が付いた防具もあげるぅ」
鍛冶職のサンとソゥ様がそう言っていた。
たしかに物理職では幽霊が出たとき詰む、よね。うん。なら対抗策があったほうがいいのか。
「特に物理職しかいないとこは多く渡すから……。あ、ユキショウグン君は攻撃魔法持ってる?」
「多少程度ですけど。幽霊にはあまり意味をなさないと思います」
「んじゃあ、渡しとくね。で、ロックさんは……いります?」
「いや、いい。俺は魔導士だしな」
ソゥさんが言葉を失っていた。
わかるよね。筋肉質でガタイがいくてメリケンサックつけてるのに魔導士なんですよ。装備は近接型なのに。
「マシュマロちゃんとうぉたぁちゃんは……」
「んー、チリンさんに渡してください。私チリンさんと組むんで」
「……じゃあ私はルルークかよ」
「ご、ごめんね僕で」
いや、ルルークは悪くないよ! ただマシュマロが私以外に口が悪いだけで……。
「マシュマロ。メンバーと仲良くね」
「わかりました! ルルークの兄さん! いきやしょう!」
「え? あ、うん」
さっそくマシュマロはルルークの腕を引っ張って第三層エリアに向かっていった。
「ソゥちゃんは第三層エリアに行ったことある?」
「ないよ。話には聞いてるだけで……。あとソゥでいいよ。私ももっと仲良くなりたいし。ミキ」
「はいっ!!」
敬礼っ!!
「それじゃあいきましょう! 第三層エリアへ!」
まずソゥにはあの演出を味わってもらわないとね!!!
チリン(ミキって真野ちゃんで釣っとけばちょろい)
という考えが浮かんだとか。まあ、事実ですけど。