オフ会を開こう ④ (真野ちゃん視点)
お邪魔して、数分後。
ちょっとざわついてきた。
うわああああ……。なんだか肩身が狭いです……。
「えっと、自己紹介、し、しし、したほうがいいか」
「真野ちゃん? ふ、震えてるけど……」
「わ、私は生出 真野……。A2Oでは、ソゥって名前で錬金術してます……。そ、その、ぶ、部外者で申し訳ないんですが参加させてもらうことに……なりま、した」
伝わったかな?! 伝わったよね?!
「あ、あの」
ちょっと小柄な男の子が手を上げていた。
お、追い出すならどうぞ……。厄介者として扱ってください……。
「サインください!」
「さ、サイン?」
「はい! ファンです!」
と、ペンを差し出される。
私はその男の子にサインを書いてあげた。名前は雪野 千里っていうらしい。可愛らしい名前だ。
「あ、私にも一つ。有名人を見ることなんて稀だからな」
「ぼ、ボクにも……」
と、イケメンと美少女に……。美少女がボクっていうのすごいな……。
「わ、私はエルルゥ。こう見えても女性です」
「ぼ、ボクはルルーク……。男ですよ」
えっ。
い、イケメンが女って言った? 嘘、だよね? ジェニーズ顔負けの顔なのに女性、なの? しかも美少女に関しては男ぉ!?
いろいろと逆じゃない!?
「……どうも。お姉ちゃんの嫁のうぉたぁです」
「嫁ぇ!?」
同性婚したの!?
「違うでしょ! えっと、真野ちゃん。この子は妹です」
「ああ、びっくりした」
この国でいつ同性婚が認められたのかと思ったよ。
「ぐー……すかぴー……」
「よ、よく寝れるな」
ふと見たところに眠っている女の子がいた。
カラオケでよく寝られるな……。
「こいつはサンで俺の幼馴染です」
雪野くんが説明してくれる。
幼馴染さんこんななんだ……。こんなっていったら失礼だけど。
「……マシュマロだ」
「あ、えっと、うん。ソゥです。よろしく」
「ああ」
会話終了。
うーん。気難しい人もいるか。金髪だし、いかにも不良って感じがする。
「初めまして。私はジャンヌ。主に仕える騎士なるものだ」
といって騎士のように傅いた。
いや、あの。
「俺はロック。こいつの兄だ」
ロックさんはがたいがよくてとても力強そうだった。ジャンヌさんと兄妹っていうのが一番驚いたかな。似てないんだもの。
「おねーちゃんみたことあるー」
「おー? 可愛いな。名前は?」
「水鏡 ミキです!」
……え? ミキ?
ミキって、A2Oの美咲ちゃんの名前じゃ……。
「この子は私の妹です」
とイケメン……じゃなかった。イケジョっていうのかな? イケジョがミキちゃんを抱える。笑顔だ……。とても好きなんだな妹さんの事。
「この子はみるきーって名前でやってます」
みるきーちゃんか。
うーん。一通り自己紹介終えたけどちょっと癖が強いな……。ミキちゃんの元にはくせが強い人たちが……。類は友を呼ぶって感じなのかもしれない。
……よし。決めた。
「美咲ちゃん美咲ちゃん」
「な、なんですか?」
「私も美咲ちゃんのギルドに、入りたい。いいかな?」
「…………」
美咲ちゃんの反応がない。
「おーい?」
呼びかけても反応はなし。
「だめだこりゃ。気絶してら」
なんで!?
きっと容量オーバーしたんでしょうね。