精霊王サバイバー ⑦
「ぐっ……精霊王、強すぎだろ……」
《ロトをキルしました》
その声で消えていくロト。
勝利した。
阿修羅化した私の実力。思い知ったか!
「ふぅ。手こずった」
おおう。魔王さんが勝ったのか……。
「さて、残りは俺とお前だけだが……。俺の今の状態ではすぐやられるだろうから引き返す。いいな?」
「……させると思う?」
「だよな」
まだ実はというと余裕はある。
魔力が三分の一くらいしかないとはいえ、体力もそれなりにある。まだ戦えるほうだった。弱っている魔王さんなら倒せる自信はある。
「火の槍!」
炎で作った槍を飛ばす。
魔王は受け止めた。たいして削れないか……。
「全属性の槍つくってやる!」
火の槍、水の槍、風の槍、土の槍、光の槍、闇の槍。
全属性の槍を浮かべ魔王にぶち当てる。
防御かってえ……!
「”魔王の緋眼”」
トロフィさんの目が赤く光る。
すると、私は痺れたのか、動きが鈍くなってしまった。
どうやら目を見たことがダメなんだろう。目を見た瞬間に痺れたから……!
まずい、避けられない……!
どうする……?
……あれ、あんなとこに小さい子供? 鑑定してみると精霊ってでた。
よし、アレが使える。
「精霊従属!」
そこの精霊さん! 私を助けて!」
「だめーーー! おーさまいじめるなーーー!」
小さい男の子の精霊が私の前に立つ。
盾にするようでちょっと罪悪感があるけど御免と心の中で謝っておく。
「くそ……! 小賢しい……!」
ちょこまかと小さいダメージを与えてくる精霊に苛立っているようだった。
トロフィさんは精霊を剣で切り伏せる。精霊は消えてしまった。ごめん。だけど、回復は済んだよ。ありがとう。
「さて、回復。もうその眼はみないぞ」
「ちい。仕組みに気づいたのか」
当たり前。
考察するのも簡単だ。見たもの対象すべてを麻痺させるとしたら壊れるだろう。なら、どういう風にしたらいいのか。簡単だ。目を見てもらえばいい。
目を見ると相手は麻痺してしまう。
だからみなければいい。
「今度はこっちから行くぞ! 自分に精霊の祝福をかける!」
これで魔法の効果が二倍。
自分にバフをかけることができた。
そして、
「MP全部突っ込んで最大威力の魔法を放つ……!」
「……! させるか!」
「もう、遅い。準備はしてたもんね」
私は特大の火魔法を放った。
エクスプロージョン。大きな大きな爆発が辺り一面を巻き込み爆発。精霊の祝福の効果で威力は二倍。私自身で出来る最大火力の魔法。阿修羅化も解け、MPがゼロになったことを確認。
《トロフィをキルしました》
ナイス、爆裂!
よくライトノベルとかで必殺技としてエクスプロージョンが出るのでだしちゃいました。前にも出したっけ?