精霊王サバイバー ⑤
攻撃が飛んできた方向にすかさず魔法を放つ。
火魔法だ。今回は森を少し焼くくらいの気持ちで放った。火事になって焼けてしまえという意思の元。
「だれだよ! ったくよぉ! 無事で終わるかと思ったのに! ちくしょう! でてこいや!」
ガガトツさんの叫びが聞こえる。
すると、火の中から二人が出てきたのだった。それは、私たちが一番会いたくなかった人たちであって、とても相手したくはない人だ。
「ちい! お前らは勇者と魔王!」
「やっぱ無駄だったろ。奇襲するにしても無理な話だ」
勇者と魔王。二人の王が目の前に……!
「チリン。逃げてて」
「おい、ケイ。逃げてろ」
私たちはそう指示を出す。
保険だ。一人生き延びていればポイントは与えられないからな。
「逃がすか!」
「やらせるか!」
勇者が追いかけようとしてたので魔法で足止め。ガガトツさんもそのようにしていた。
くっそ、会いたくなかったのに! 無事で済むと思ったのにい!
「……ガガトツさん。やる?」
「しかねえだろ。追いかけてくるだろう?」
「もちろん」
「ポイント稼ぐためにはなりふり構わずいきたいしな。それに、王を倒したら三人分キルしたってことになるんだ。狙わないわけないでしょ」
え、まじで?
「それ初耳だけど……」
「公式サイト見なさいよ精霊王ちゃん!」
勇者さんに呆れられた。
「ともかく、俺らはお前らを倒すつもりだから。かかってこいやってこと」
「こういうの、俺は好きだ。俺はガガトツの相手するとしようか。ロトは精霊王を……」
「はあ!? 俺に女やれっていうの!? 可愛い子相手に無理だよ!?」
「俺はフェミニストだからな」
「逃げんな! じゃんけんで決めるぞ! じゃーんけーん……」
いや、緊張感ないなあ……。
「決まりだな。俺がガガトツだ」
「くそう……。好きだった子に手を上げるのは嫌だけどイベントだ……。あとで必死に謝り倒そう」
目の前の二人が構える。
私も臨戦態勢を整えて、勇者を見据える。
「なあ、やっぱ交代しないか? 俺うっかり惚れそうになるんだが……」
「ダメだ。さて、ガガトツ。やるとしようか」
「お前らと戦うのにはきが進まないが……やってやる。俺だって本気で行くからな!お前も本気できやがれってんだ!」
と、ガガトツさんたちはバトルを始めた。
一方私はと言うと。
「……あの、俺が勝ったら付き合ってください」
なんか、告白されてしまったのだった。
「断る」
そして、私は魔法を放った――
少年漫画っぽいなあ。ジャン〇の読みすぎか?