始まりの春
恋愛物初心者です。
ご指摘御願いします。
二年生の始め、今日も今日とて日差しが眩しく、過ごしやすい朗らかな春の日。極普通の、それこそ普通を極めに極めた普通の象徴と言ってもいい俺、一ノ瀬一樹は大半の一般的男子高校生のように1人でぼーーっと静かな路地を歩いている。
家に居ても学校にいても五月蝿いだけだが、登校中は騒音と言った騒音は聞こえてこない為、この時間が俺の最高の時間だ。
登校中は誰にも邪魔されず、最近始めたスマホゲームの『カナンミクシナ』、略して『カナクシ』のアバター育成に当てるのだ。
そう、これが俺の日常ーーー
「‘‘私,,の先輩に抱きつかないでよ~あさみお姉ちゃん?ねーかーくん??」
「勘違いして欲しく無いのだけれど彼は私のよ?アナタこそ妹の分際で私の一樹に抱きつくとはなにを考えているのかしら?それとも、男遊びを重ねてきたアナタは男子に抱きつくのは当たり前なの?なら、ほかの男子にしてくれない?迷惑なのだけれど……」
「おい、華憐、浅海、スマホゲーム出来ないから俺から離れろ。後朝から騒がしいぞ、近くにいる人に(主に俺)迷惑だ。そして俺は俺だ、誰のものでも無い。」
「「何かしら?(なに?)一樹」」
「だから離れろって」
「「…………」」
「あ、すいません」
の、理想型だ。ちくしょう、恐ろ姉妹め《おそろしまい》………!
別に嫌じゃ無いのだが、何かこう……恥ずかしいのだ。
因みに、俺のことをかーくんと読んでいるのが俺の後輩にして幼なじみの妹、蜜花華憐だ。そして、あさみお姉ちゃんと呼ばれている方が蜜花姉妹の姉、蜜花浅海、俺の幼馴染みだ。
二人とも似通った顔立ちをしていて、どちらも顔は整っている。
妹の華憐の方は黒髪を長くのばしていて、身長は俺より三十センチ位低い。声が姉より少しばかり高く、おっとりとした話し方をする。顔つきは目が少し垂れていて、桜色の唇と小ぶりな鼻と目が完璧なバランスを作り出している。ほんのりと桃色がのっている頬は、こすりつけられた感触からはフニッとしていることがわかる。体の方は……まぁ一言で表すなら発育の暴力だ。うん。
良く保ってるな……俺の理性。
姉の浅海の方は黒髪を長めのポニーテールに結んでいて、身長は俺より七~八センチ位しか違わない。あ、勿論俺の方が背は高いよ?
口数は少なく無表情だが、文武両道で有り、部活動の空手では小学生の頃から一度も大会を落とした事がない。
そのため裏では『孤高の戦乙女』や『笑わない女神』などと呼ばれている。
余談だが、学園で毎年行われている『全学年共通美女決定戦』
で去年、一年生ながら全校生徒の9/10の投票を獲得して優勝している。
ちなみに体の発育は………人それぞれだな、うん。
因みに本人はとても気にしており、最近自分の胸を触って悲しそうに溜め息をつく姿をよく目にする。
しかし俺は彼女の胸を見て哀れむような失礼な事はしn
「あら、一樹は何で私の胸部を凝視しているのかしら?…………それも、何故悲しいものを見る目で……?」
あ、ガッチリ見てたっぽいです。止めて!そんなゴミを見るような目で俺を見ないで!!一樹のライフはもうゼロよ!!等と某アニメねたを、脳内変換再生していると、肩をポンっと叩かれたと思うと聞き覚えのある声が聞こえた。
「よ、かず君、あさみちゃんとカレンちゃんもおはよ。相変わらず朝からお熱いな、人目って物を知らんのかね君達……」
「余計なお世話だぞ、みー坊」
今俺がみー坊と呼んだのがもう一人の幼なじみにして俺の親友、石田光輝だ。
短く切りそろえた黒髪とキリッとした目つきは、女子からもかなり人気がある。輪郭もシュッとしており、サッカー部ではキャプテンもしていて身体つきもガッチリとしている。
声は少し高めの爽やかボイスで、男女問わず羨望の目を向けられている。ついた二つ名が『完璧超人』、安直だが、正に光輝だ。
だが、女子と付き合って毎回1ヶ月以内に別れている。
それは、コイツが女遊びしていたり、暴力を振るったり暴言を吐き出したりした訳ではない。
原因は、コイツが残念すぎる程にガチのアニメオタクなことだ。
この前コイツの十八代目の元彼女の会話をちらっと聞いたことがあったが、その時は初デートの内容を喋っていた。
余り長々と聞くと怪しまれるから余り聞いていないが、そのとき彼女は秋葉原にデートしに行って、某人気アニメ、『ポケロン』
の主人公の設定、裏設定、魅力などを約四時間かけて熱弁したのだという。
最初は初デートで上がっているのかと我慢したが、二回目三回目でも同じような事をしてくるので、耐えきれずに別れたのだと言っていた。
以前、その性格を直せ、と言ってみた所、マジ切れされてて殴り合いの喧嘩になり、一週間位口を聞いてくれなかった。
殴りかかってくる時に、「お前にリイスアちゃんの可愛さのなにが分かる!!お前にカトシ君の格好良さの何が分かる!お前にあのアニメの良さの何が分かる!!」と言ってくるため、つい呆れて体の緊張が抜け、ボッコボッコと抵抗出来ずに殴られ、気絶した。て言うか、軽く引いた。
まぁ、そんなこともあったが、今でも俺の親友として絶賛活躍中だ。マジ、俺と釣り合わなさすぎる。
あ、そうそう言い忘れていたがーーー
「あら、今日も懲りずに来たのね?オタク野郎。また私に泣いて許しを乞う醜い姿を見せにきたのかしら?そのちゃん付けも含め
全てが不愉快、今すぐ私の一樹から離れなさい、いや、離れろ」
「お姉ちゃんと一緒って言うのも気にくわないですが………今回ばかりはお姉ちゃんと同意見です。なので、失せ…さよならです!」
見ての通りこの二人は、光輝の事を物凄く嫌っている。
それこそ、台所のGが五百匹位出たときに襲われる嫌悪感と同じくらいに。
何故嫌われたのかは後で話すが、少し言いすぎじゃね?
「なぁ、二人ともそれくらい「「一樹は黙ってて」」………はい」
「いや、諦めんなよ!?」
「すまんなみー坊、俺は自分の身が一番だ。」
「ふざけるなぁぁぁぁ!!」
「お前はデッドメモのキラーか!!」
何故一昔前のアニメネタをぶっこんでくるんだよ……
「一樹、そんな能無し浮気性変態アニオタ野郎何て放っておいて学校に行きましょう?そろそろ本気で遅刻してしまうわ」
「浮気性とはなんだ!!俺は二次元一筋だ!!」
「「「………うわぁ」」」
「おい、何で三人とも俺を蔑みの目で見るんだ!?おい、かず君まで俺の敵になってしまうのか!?何故だ、何故二次元の良さが分からないんだぁ!!いいか?二次元嫁というのは………で…………なんだ!!…………だぞ!?っておい!!人の話をきけぇぇぇ!!」
そして、俺達は頭のおかしい残念イケメンオタク、もといみー坊を置いてダッシュで学校に向かった。
後ろからの二次元嫁説明が耳に入る間、三人とも不快感を滲ませる真顔という高度な表情を浮かべていたのは言うまでもない。
そして、なんやかんや有りながらも、俺達は俺達の通う高校、
霧ヶ丘東高校に到着したのだった。
どうでしたか?
ポイント付くと嬉しいです。