第二話 開かれたページ
更新が遅くなりすみませんでし。
最近忙しくなかなか暇がありません。
それでもこの作品を読んでくれる皆様に感謝することは忘れません。
只今の時刻12時50分。
そう、中学生の俺にとってとても大切な昼休みの時間だ。
弁当も食べ終わり、予鈴が鳴るまでの間の至福の時間だ。
こんな時は一人でおとなしく・・・
「流石は我が親友、羽山 修。こんな時まで本を取り出し受験勉強とは、だてに某国民的有名漫《〇るおくん》のあだ名を欲しいがままにするだけのことはある。」
「まてまて、俺は眼鏡もかけてないし勉強も嫌いだ。とゆうか誰だ、そんなあだ名をつけたのは。」
「俺だ!」
「そんな不名誉極まりないあだ名をつけるな。」
俺に新しい不名誉なあだ名をくれたこいつは中村孝輔。親友と書いてマブダチと言う間柄だ。
「しかし、おかしなものだな。」
さも、不思議そうな顔をする孝輔。
「何がだ?」
「そんだけ、本を読んでいて勉強嫌い。どちらかというと運動好きなんて。」
結局それか。
「人を見かけで判断すなということだ。だいいち本を読む、イコール勉強好きは成り立たない。」
小さい頃から毎日、暇があれば本を読んでいたため、よく勘違いされ今までも同じような事をよく言われてきた。
「これで十三回めだな。」
「今日だけでか?」
「ああ。」
いい加減うんざりしてくる。
「ご愁傷様としか言いようがないな。」
「おい、親友を見捨てるな。」
「どうしようないだろ。世間一般ではそう見られてんだから。」
確かに。自分でさえ終始本を読んでる奴がいれば勉強好きと思うだろう。
「本当になんとかならないか?」
「無理。」
こいつは本当に俺の親友なのか疑いたくなる。
そんな雑談をしていると昼休みの終了を告げるチャイムがなった。
「しまった!貴重な時間を、馬鹿のために費やしてしまった!」
「馬鹿とはなんだ!〇るお!」
「〇るおって言うな!」
その後、とくに何もなく時間は過ぎ今は放課後。部活に行く者、家に帰宅する者人それぞれの行動をとる。
俺は部活に入っていないため、家に帰る。
「じゃあな、本屋。」
「おう。」
我がクラスメートと別れを告げる。
そういえば気付いたかもしれないが、俺の本当のあだ名は本屋だ。けして家が本屋だからという訳ではない。
ただ毎日のように本を読んでいたためついた。
しかし、俺が本を読むようになったのには訳がある。
「ただいま〜って言っても誰もいないけどね。」
我が家に親はいない。
小さい頃俺を親戚に預けた両親は旅行に出かけたが、その旅行先で交通事故にあい亡くなった。
今では両親の残した遺産と保険金、叔父叔母の仕送りで生きている。
「さて、今日はどれにするかな?」
そう言って向かうは親父の部屋だ。
ここで本題に戻るが俺が本好きになった理由、それは親父の部屋を埋めつくさんとする親父が執筆した本、これが原因だ。そう、俺の親父は小説作家だった。
そのため、小さい頃から絵本がわりに良く読みいつしかそれが当たり前になっていた。
いつものように本棚から一冊取り出し、親父の作業机の上の原稿用紙に目が止まった。
「親父の奴この後なんて書くつもりだったんだろ。」
その原稿は親父が死ぬ前に書いていた小説だった。
内容としては学園ラブコメディー。
いいところで文が止まっているため、非常に続きが気になる。
俺の夢は親父と同じ小説作家、そしてこの続きを親父の代わりに書き上げることだ。
だがその道のりは険しい。何故なら親父は全国的にも有名な作家だからだ。
故に中途半端な文才で後を継げるほど甘くはない。
「つうか。親父の奴、今の俺と同じ歳で作家デビューって。」
そう親父は15歳の時にデビューし、初めて出した本は親父をあっという間に有名作家にした。
正直、あの馬鹿親父に負けるのだけは俺のプライドが許さない。
でも勝てないのも事実だった。
「はぁ〜なんかいいアイデアはないかな。」
新たなアイデアを求め机を漁る俺。なんか情けない。
「ん、なんだこれ?」
机を漁って見つけたのは一冊の分厚い本だった。
「もしかして。」
嫌な予感がする、開けてはならないと本能が告げる。しかし誘惑に勝てなかった俺はその本を開いた。
『十月十四日。今日、修が俺の小説を楽しそうに読んでいた。余りの可愛いらしさに抱き着きたい衝動刈られも堪える俺、ああ、今の俺は幸せ過ぎる。』
「・・・・・・」
親父の日記だ、間違いない。
「なにを考えているんだあいつ。」
またページをめくる。
『六月七日。今日、小夜さんに俺の小説が褒められた。天にも昇る思いだ。このままいい関係になったりして。やばい期待が膨らむ。』
年からみて、たぶん親父が高校の時だ。
そうか、あいつはこの時から馬鹿だったのか。
ちなみに小夜とは俺の母親の名前だ。
「なんだ、この日記は。危な過ぎる。」
ええもう読む事さえ危険だ。
でもなぜか俺の手はページをめくる事をやめない。
そして、最後のページにたどり着いた。
そのページだけは今までのとは違う雰囲気を放っていた。
『四月二十日。俺はあの旅を小説にしようと思う。なぜなら、それが俺にできるあいつへの唯一のはなむけだからだ。でも手が進まない、本当はそれが間違いだと知っているかだ。』
年は15の時だった。
「なんだ、これ?全く意味が分からん。」
しかし俺はあるおかしな点に気がついた。
この日記の内容からみると、親父の初めて書いた小説は旅行系のやつだ。しかし親父が本当に初めて書いた小説は恋愛ものだった。
「まてよ。とゆうことは。」
そう親父が初めて書いた小説は別に存在した。
それに気がついた俺は、今度は部屋じゅうを漁った。
「くそ。何処にあんだよ。」
日記の内容から書いた事は間違いない。
俺が読んだことのない親父の作品はひとつたりともない。
なぜなら親父は書い原稿をそのまま読ませてくれたからだ。
だから、ボツになり世間に出回らない作品も俺は読んだ。
でも、唯一読んだことがない作品が存在した。それは俺の心をおおいに弾ませた。
しかし何処を捜しても見つからない。
そこでふと気がついた。
「そっか、すでに捨てたのかもしれないのか。」
よく考えてみれば分かることだ、何十年も前のがあるはずもない。
「はぁ〜なんかいっきに疲れた。」
諦めてドアを開けようとすると。
「・・すけ・・たす・・て・・・」
「!?」
人の声?
「・たすけ・・すけて。」
「誰だ!」
部屋を見回しても人影は見当たらない。でも、声はしだいにおおきくはっきりと聞こえてくる。
「助けて、彼を救ってあげて。」
「だから誰なんだよ。どこにいるんだ、姿を見せろよ警察に通報するぞ!」
「助けて、彼を救って。」
どうやら人の話しを聞く気がないらしい。
「いい加減にしろ!」
そう叫ぶ同時だった、俺の足元から閃光が走るといきなり魔法陣らしきものが現れた。
「何だよ!?何なんだよ、これ!?」
そして魔法陣はよりいっそう輝きをまし、俺は光にのまれた。
しかしこれは始まりに過ぎなかった。
そう俺の物語は今、最初の1ページが開かれた。
感想・アドバイスなんでもいいので是非何かあったら送って下さい