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~豊穣の姫君と風の先導者~
プロローグ
空から人が降ってきた。
いや、この場合、#降臨__お__#りてきたと言うべきなのかもしれない。
その光景は誰もが口を揃えて、
「ありえない」と言えるほど不思議で唐突な出来事だった。
4261年、科学は大きく進歩し、幽霊やネッシーなどのオカルト現象までもが科学的に説明できる、
いわば、「超科学的な社会」となった。しかし、そんな完璧な、科学的社会に一つだけ証明できないものがあった。
それが「神」の存在である。
そんな世の中の(今では)普遍的な私の部屋の私の眼の前でこの光景が起こっている。明らかなる、非科学的な現象であり、この世の中で考えられる事案として神と並んでいる程あり得なかった。
というか神だった。