第4話
朝の冷たい空気にさらされて目が覚めた。寝ぼけ眼で辺りを見渡すと狼親子が何かを食事しているのが目に入り吐きたくなった。
話は変わるがこの世界に来てから水しか飲んでいない。そろそろまともな食べ物を食べたいところだ。
穴から外に出ると親狼が子狼を銜えて入り口までついてきた。そして俺の足元に子狼を話すと穴にもどり壁を作った。
「え?・・・」
思わず俺は言葉を失った。子狼はというと壁の前まで戻り壁を削ろうとしている。
「お、おい!開けろよ!」
俺は入り口が閉じた狼の巣穴に叫んだが特に反応はなく、子狼も不安げな声を出して俺の足にすり寄ってくる
飲み水と安全な寝床、持ち出そうと思った武器が手に入らなかったことを思うと頭が痛い。
しばらくして子狼を撫でながら落ち着いた俺は、子狼をブレザーの大きめのポケットにカンガルーよろしく入れて移動することにした。
「お前も災難だな・・・」
ポケットでスンスン鼻を鳴らしている子狼に呟いたのだが言葉はわからないようで残念だ。
親狼と出会った森まで戻ってきた俺は空腹感も過ぎたようで、特に何かを食べたいという感じではないのでとりあえず川を目指すことにした。子狼はポケットから前足だけをだらんとさせて鼻をスンスン鳴らしているだけなのだが、意味はあるのか?
道中にあるよくわからない木の実やら、キノコにはなるべく触らないようにした。これにはちゃんとした理由があって森に生えている知らない実やキノコなどは8割強の確率で毒をもっているか、消化できないものが多いからだ。
では、森では何を食料にしたらよいのか?それはシンプルだが木になっている実。これは高い位置に生えているから相対的に動物に食べられることが少ない。少ないということは植物自体が毒などの自衛のための進化をしていることが可能性としてはキノコや、地面になっている実などよりも低いからである。
俺はそんなことをぼんやりと考えながら森を進んでいる・・・それにしても暇だな。子狼は寝てるし。
森の中の空気は雨が降ったわけでもないのにじめじめしている。時に意味はないのだが呆れたようなため息をつくのが癖になってきたかもしれない。まぁ、本当にどうでもいいか。あともう少しで川につきそうな気がする。だってじめじめしてるし。
作者入院中のため友人の私が作者の代わりに投稿させていただきます。
※原文のまま投稿してあります。
どうも作者です。今回は友人に原稿を渡して代理で投稿してもらっていますが、次回の構成が出来上がる前には退院して投稿したいと思っています(汗)