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僕の黒歴史  作者: リット4%
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僕の部屋

部屋にサプライズゲストが訪れます。

最近ネットが重いです

とりあえず携帯と財布を持って外に出る。早くスマフォにしたいのだがゲームをしてしまうからダメだそうだ、親曰く。あ、どうも、八代尊(やしろみこと)です。

現在真っ暗な空の下コンビニに向かって徒歩で移動中。目的はもちろん夕飯の調達だ。家を出てから5分ほど歩いているけど頭の中はまだ整理される見込みはない。まず俺のシャツの中に神様がはいったのは驚いたけど、それ以上にそのお方が外に出られた事に驚いた。で、そのお方(まぁ川崎恵と言うらしいんだけど)は今僕の部屋でカレーの帰りを待っている。まさかぱしられるとは思わなかったな....うん、正直かなりびっくり。

不意に携帯がなった。かけてきたのは...三上。カラオケに行ったときにすでに三人とは連絡先を交換してあるのだ。とりあえず、でた。

『あー、もしもし、尊?』

「はいはい、ご所望の八代尊ですが、どうかしましたか?」

『あと....うん、さっきはごめん。色々面倒押し付けちゃって...』

突然電話してきたと思ったらしっかりとした謝罪の電話、思ってたより優しいと言うか....うん、以前よりは気遣いができるようになってるんだな。と、何故か上から目線で一人感慨に浸る。にしても三上か...ちょうどいい、ちょっと役に立ってもらおうかな

「.....本当に悪いと思ってる?」

『へ?...どゆこと?』

すこしけしかけると言うか、軽く脅迫する様な言い方で返答する。

「だから、さっきの行為を本当に悪いと思ってるかって。そう聞きたいんだけど」

『もっ、もちろんだって!!この純粋潔白な結衣さんの心を疑うんですかっ!?』

無駄におおげさな反応が返ってきた。そんな天然な人の謝罪を疑うほど僕はクズじゃないから心配しないで欲しいんだけど。

「じゃあさ、一つだけお願い聞いてくれないかな?」

『んと、えと、うん、この結衣さんに任せなさいっ!!』

胸を叩いたであろう鈍い音と、それに伴って咳き込む声が聞こえる。強く叩き過ぎだって、と苦笑しながら返答した。

「よし、それじゃあね....」


場所は変わって僕の借りている部屋の居間というかリビングというか、まぁごはんを食べるところになる。だいたい6畳とちょっとくらいの大きさで、真ん中にちゃぶ台。そして壁にそうようにテレビ、パソコン、川崎が出現したときにうごめいていたベッドが並んでいる。で、その中心に置いてあるちゃぶ台の前。まだ僕のシャツを着たままの川崎と大きな紙袋を持った三上とカレーとチキン南蛮弁当と親子丼のはいったビニール袋を持った僕がいた。とりあえず机に三つ並べる。川崎の前にカレー。僕の前にチキン南蛮。三上の前に親子丼、と。

「えと...恵、ちゃん?」

「ん、私は川崎恵ですよ、あれ、自己紹介まだでしたっけ?」

微妙な空気から発生する微妙な会話。空気が異様に重い。とりあえず夕飯を食べる事にした。

「へぇ...そと、出れたんだね」

「当たり前ですよ?私上から二番目に偉いんですもの、楽ショーですよ!」

あー、チキン南蛮美味しい。

「で、でさ、何でそんなシャツ、ぶかぶか....なのかな?」

「いやー、服が消えちゃってですね。うん、自分でも何でか良くわかんないんですけど」

やっぱタルタルソースとこの南蛮酢の相性が最高だよね。うん。

「それってやっぱり尊の...だよね?」

「いや、だって、うん、そりゃあもちろんそうですよ。私服持ってないですしこここの凡人の家ですし」

鶏肉最高。僕やっぱ牛豚鳥なら鶏肉が一番だね。安いし場所によってはカロリーも低い。

僕の思考は完全に舌先へと逃げ出していた。


....やっぱり尊の着てるんだ....。

私、三上結衣は4月の半ばの午後7時。夜の帷がおり始めた頃に何故か幼なじみの部屋にいた。しかも相手は一人暮らししているっていうのに。正面には私ようなのか暖められた親子丼が置いてあって、右横には私の持ってきた大きな紙袋が置いてある。ちなみに中身は私が小さい頃着ていた服だ。ま、まぁそれは置いておくとして、何で私がこんなとこにいるのかと言うと....うん、今目の前で無表情でチキン南蛮をほおばっている幼なじみに呼び出されたからなのだ。それは私が謝罪の電話をかけたときの事だった。部活でふざけてこっくりさんをして、それでおりてきた神様が尊の服に憑依して、で、何かその神様の性格がかなりめんどくさい事を察して、良くわからなくなってきたし鐘もなったから早々に逃げ帰って、家で尊を一人で部室に置いてきた事に罪悪感を覚える。だから電話で謝ろうと思ってかけたら、小さい頃の服を持って学校の近くのコンビニにきてくれと呼び出されたのだ。で、行ってみると、けっこうしっかり中身の詰まったコンビニ袋を持った尊が待っていた。そして、尊が何も言わずに歩き出したので無言で後をついていったらこういう状況になってしまったのだ。のだのだー。うん、ふざけても意味がない事は分かってるんだけど、正直ふざけずにはいられない。だって、気まずいんだもの。空気が重い。多分川崎さん?はじーっとこっちの事見てくるし尊はひたすらお弁当食べてるし.......。というかこのお弁当が私用だとしたら良く覚えていた物だ、私の好物なんて。あ、尊が食べ終わった。満足そうな顔...お腹空いた。これ食べていいのかな...?それにしてもこの男は良く私をこんなところに連れてこられた物だ。私まだあなたが告白してきたときの事、覚えてるんだからね?あの時はいろいろとあって断ったけど....。でも、そのあと街で会ったときにふつうに声かけてくれたのは嬉しかったな....。頭の中をぐるぐると動かしていると、不意に尊が口元を拭いながら喋り始めた。

「三上、こちらはカレー大好き付喪神川崎恵さんだ。今日お前をここまで呼び足したのは他でもないお前の幼少期の服をもらう為なんだよ。あ、もちろん僕が欲しいって訳じゃないからな?今の状況を見てくれれば分かるだろうけど、このちんまい神様に着せる為だ。誤解はダメだぞ?」

分かってるって、そのくらい。心配性な尊にすこし笑みがこぼれる。このひとあんまり変わってないな...。男子校なんて行っちゃったから性格変わったりしててもおかしくないかなって思ってたけど、押しに弱い事やなんだかんだ言って優しいとこなんか全然変わってない。ちょっと安心...かな。

「三上?おい、大丈夫か?あらぬ方向見つめてるけど....」

っとと。ちょっと自分の世界に入りかけてたみたい。

「あ、うん、だいじょぶだいじょぶ。それに尊、そんなに心配しなくても大丈夫だよ?私これでも尊とは10年以上の付き合いなんだから。そのくらい分かってるから」

本心をいうと、尊が心底安心した様な顔になる。あ、心情が顔に出やすいのは変わってないんだ。

何か、凄い安心した気がする。これだけ呼び出しに応じた価値はあったかもしれない。あ、も、もちろん見返りを求めてここに着た訳じゃないよ?先に悪い事しちゃったのは私だし...。


何故か三上がうつむく。さっきから表情がころころ変わるなー。気まずそうにしてると思ったら親子丼を見てもの凄く物欲しそうな顔をして。で、僕が話し終わったら突然ニコニコし始めていまはこの表情。本当に何考えてるのか分からない。とりあえず、川崎に着せる服を確保する事には成功した。これで今のところの懸案事項は一つ片付いた事になる。一安心、だな。まだまだいろいろ問題はあるけど。





この部屋の下りはまだまだ続くかと思われます

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