第五話 ヤギイヌの子供Cの大ピンチ!
残りのヤギイヌとヤギイヌの子供Cは、大丈夫なのでしょうか?
モコネコは、休む間もなく飛び立っていきます。それほどまでに親子が心配なのです。
モコネコは、郵便配達人に声をかけます。
ヤギイヌとその子供Cの潜伏先を知るためです。
郵便配達人や焼き芋屋等、街を走り回っている人は、確かで信頼できる情報屋なのです。
「うーん、ヤギイヌは見てないけど、子供Cなら見かけたよ。
激しくはないけど、人に噛み付いていたようだよ!」
「何だって!」
それを聞き、モコネコは不安を感じます。
ヤギイヌの子供Bと同じく子供Cも狂犬病になってしまったかもしれません。
しかし、貴い一つの生命、軽く殺そうなどとは考えません。
それに子供Cは雌、そう、将来多くのアレルギー患者を救える可能性を持っているのです。
「くっ、お金のためだ、仕方ない。
もしも、子供Cが狂犬病だった場合は、メアリー先生をお呼びして、生け捕りにしてもらうしかない。
子供Bは生産性が少ないから殺したが、子供Cの潜在能力は未知数だ!
それだけの手間をかけても仕方ないな……」
モコネコは、子供Cが潜伏している町に行き、子供Cを探し出します。
それほど時間はかからず、子供Cを見付け出しました。
どうやら子供Cは、嘔吐やめまい、発熱や幻覚、興奮して暴れる意識障害を起こしています。モコネコは、その様子を見て思います。
(こいつなら勝てる!)
モコネコは、子供Cを猫パンチで攻撃し、生け捕りに成功しました。
「ふん、人間様に危害を加える悪の手先め!
オイラの正義の猫パンチで、ようやく動かなくなったようだな。
オイラがお前を調教して、人様の役に立てる動物にしてやるよ! 感謝するんだな!」
こうして、モコネコは子供AとCを連れて、メアリー牧場へと戻って行きました。
真実はこうです。
子供Bは、狂犬病により人間を襲っていたので、殺すしか方法がありませんでした。
しかし、子供Cは違う理由で人間を襲っていたのです。
屑人間の捨てた脱法ハーブを嗅いでしまい、幻覚や意識障害により人間を襲っていました。
そのため噛まれると痛いですが、伝染病の危険はありませんでした。
その点を一目で見抜き、助けられる生命を救ったのです。
脱法ハーブも、麻薬と同じく依存症になる大変危険な薬物です。
今は、取り締まりの対象外かもしれませんが、身体に多大な影響を及ぼします。
薬物依存症になった場合は、自力で克服するしか方法がない場合もあります。
タバコなどの既製品も同じです。絶対に手を出さないようにし、もしも、依存症になった場合は、早めに大人の人に相談しましょう。
子供Cは、徐々にまともな生活を送れるようになりました。大人のみなさんも、子供達に注意を払ってあげるようにしてください。その気遣いが、その子の一生を守ります!