第三話 ヤギイヌの子供達を救出せよ!
ヤギイヌの子供達は、それぞれ別の場所に逃げて行きました。
ヤギイヌの子供Aは、近くの港へ……。
ヤギイヌの子供Bは、近くの山へ……。
ヤギイヌの子供Cは、近くの町へ……。
モコネコは、心配して後を追跡します。まずは狙いを一つに絞ります。
その方が、時間の効率が良いからです。
モコネコは、ヤギイヌの子供Aを追って、港町に来ました。注意深く辺りを見回します。
「あの邪悪なヤギイヌより先に子供達を見付けださないと。
見付け次第、メアリー牧場に連れて行き、調教して、金を生み出す道具とするのだ!」
すると、モコネコは、ヤギイヌの子供Aがゴミを漁っているのを発見します。
それを見たモコネコは、すぐさま奴に近づいて行き攻撃します。
「このクソイヌめ! お前なんてこうしてやる!」
モコネコは、ヤギイヌの子供Aを猫パンチでボコボコに、それはもう怒りをぶつけるかの如く、ボコボコにしました。まさにサンドバック状態です。
ヤギイヌの子供Aは、攻撃を喰らい、気絶しました。
それを近くで見ていた町人に、モコネコは尋ねます。
「こいつは何をしていましたか?」
町人は、素直に答えます。
「え? いや、ゴミを漁っていて、困ってましたけど……」
「そうですか、オイラの思った通り。こいつは、こうなって当然の奴なんですよ!」
モコネコは、後でヤギイヌの子供Aを引き取りに来ることを約束し、しばらくその町人にヤギイヌの子供Aを預けました。
真実はこうです。
実は、ヤギイヌの子供Aは、もう少しでフグを食べてしまうところでした。
そこで、モコネコはそれに気付き、あのような果敢な行動に出たのです。
その勇気ある行動により、一つの貴い命は救われたのです。
あの過剰な攻撃も、フグ毒を吐き出させるための医療行為だったのです。
モコネコは、なんと賢い生物なのでしょう。