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何故ここに?

「クレマン様、貴方がクリスティアーヌ様に詫びたいと仰るから、わざわざこの場を設けたのです。これはどういうことですの?」


「すまん、彼らは僕が呼び出したんだ。あの時クリスティアーヌ嬢を貶めた者として、既に心から反省しているなら一緒に謝罪すべきだからな」


「そう、だとしたら貴方、これは随分な悪手でしてよ」


グレースリア様は眉間に皺をよせたまま、クレマン様を睨みつけた。


「お分かりになっていないようですから教えて差し上げますわ。今、貴方方の信用は地に落ちているのです、貴方方が想定するよりずっと。……レオ、一般生徒の皆様、彼らの事何と言ってらっしゃる?」


「え?ああ……うわぁこいつらが将来国を治めるのかよ。この国も終わったな、って感じだな」


サッとクレマン様達男性陣の表情が硬くなる。


「いやいや今さら青くなる事か?婚約者もいる男共が一人の女に群がって、所構わずくっさいセリフ吐いてりゃ皆ヒくに決まってんだろ。平気で浮気、空気読めねぇ、我慢利かねぇ、聞く耳持たねぇ、女の言いなり、の権力だけはある集団だぜ?」


「……っ」


「でしょうね。そしてクリスティアーヌ様への仕打ちを知る一部の者から見たら、簡単に冤罪をでっち上げる何を仕出かすか分からない奴ら……あら失礼。レオの口調が移ってしまったわ」


容赦ないコメントに呆気にとられてしまった。男性陣も二の句を継げずにすっかり意気消沈している。


「ともかく、それ程に信用がないクレマン様が、殊勝にもクリスティアーヌ様に詫びたいというから招待したというのに、断りも入れずに男性ばかりそんな大人数で押しかけるなんて、あまりにも非常識でしょう。……クレマン様、貴方は私の信頼も裏切ったのです」


「……確かに短慮だった。申し訳ない」


「深刻なのは私よりもクリスティアーヌ様の方ですわ。彼女はこれだけの数の男性に囲まれて一方的に糾弾されたのですよ?今同じ男共に囲まれてどれだけ怖い思いをしているか……貴方方はもう少し、人の心の機微を想像する力を養ってくださいませ。でないと同じ失敗を何度でも繰り返しますわよ?」


クレマン様が、私をじっと凝視する。


胸元で視線が止まったのを見て自分でも見下ろせば、握り締めるあまりに真っ白になっている両手が目に入った。知らぬ間に小刻みに震えている。自分が思うよりも私は恐怖を感じていたみたいだ。


「だから無理だって、空気読めないんだし」


「貴方も」


不満そうに漏らしたレオ様に、グレースリア様が扇をゆるりと向けた。


「そういえば、何故ここに居るのです?」


「え、だってグレースがクリス…ティアーヌ様と差しで話すっつうから、心配になって」

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