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【書籍化】シナリオ通りに退場したのに、いまさらなんの御用ですか?  作者: 真弓りの


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そう簡単にはいかないもので

「うまい人選ね、感心するわ。オファーしたい相手も、そのために動かすべき相手も」



グレースリア様に褒められた……! 


私も、ミスト室長やコーティ様に鍛えられて、少しはそういう部分が成長できているのかしら。



「ありがとうございます!」


「やるじゃない、私も負けませんわよ」



嬉しくてお礼を言えば、なぜかグレースリア様に宣戦布告されてしまった。でも、そう思ってもらえるのはなんだか誇らしい気もする。


グレースリア様からのゴーサインを貰った私は、市井官としての業務を見学にいく日以外は、ルーフェスと手わけして毎日のように下町に出かけては、たくさんのお店を巡っていた。


もちろん、デザートやお酒、料理を提供してくれるお店を探すことが主な目的だ。


デザートは案外簡単で、『カフェ・ド・ラッツェ』の店主さんが二つ返事で引き受けてくれて、しかもパティシエ仲間も募ってくれると請け負ってくれたものだから、基本的にはお任せして、定期的に打ち合わせをするだけで済んでいる。感謝しかない。


お酒に関しても、女将さんが紹介してくれた『テールズ』にお酒を納入してくれている酒屋のロートさんが、このごろ入り始めた交易品まで幅広く扱っていたこともあって、思いのほか多種多様なお酒を取り揃えてくださって、こちらも概ね目途が立っている。


一番苦労しているのが、料理だった。


やっぱり、グレースリア様が危惧していた通り、しり込みするお店が圧倒的に多くて、私もルーフェスも、なかなか色よいお返事がもらえず、苦慮していた。


なんせ女将さんですら「そんな貴族の料理と一緒に並べられるような料理じゃないよ」と相手にしても貰えないんだもの。


確かに女将さんの料理は見た目を飾ったりはしていないけれど、本当に美味しいとしっているだけに、私はどうしても諦めきれなくて。


この企画に賛同してくれるお店を必死に探しながら、粘り強く交渉していた。


もちろん、レオさんと会える日もめっきり減ってしまった。お互いが、本当に忙しすぎる。


私が市井官になったら、こんな風に会えなくて寂しい思いをする日が、どんどん増えていくのかしら。そう思うと、途轍もなく寂しい。


それでも、あと三カ月の辛抱、と自分を叱咤して毎日を過ごす。


ついに普通に交渉するだけではなかなかお店が見つからないと判断し、マークさんいきつけのお店やオーズさんつながりで声をかけてくださった数軒で、ようやく料理を提供してくれるお店が確保できた時には、本当に泣きたいくらいにホッとした。


本当に、皆様の顔があってこそのことで、自分の未熟さと皆様の頼もしさを、改めて感じる。

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