↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】シナリオ通りに退場したのに、いまさらなんの御用ですか?  作者: 真弓りの


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
229/282

コーティ様は強い

「ルーフェス、いきましょうか」


「……」



声を掛けたけれど、ルーフェスの返事がない。顔を覗き込んだら、既に爆睡していた。



「本当に限界だったのでしょうね」



ルーフェスが寝落ちしてしまったことに気付いたコーティ様は、軽くルーフェスの肩を叩く。それでもルーフェスは身じろぎひとつしない。完全に熟睡しているみたいだ。



「仕方ありませんね」


「コーティ様!?」



どっこいしょ、と顔に似合わない掛け声とともに、コーティ様がルーフェスを担ぎ上げる。


細い体なのに、危なげなく歩を進めていくコーティ様に、私は慌てて追いすがった。



「コーティ様に運んでいただくなんて」


「もう御者も部屋で休んでいるでしょうし、宿のかたの手を煩わせるのもなんですし。部屋も一緒なので、私が運ぶほうがましでしょう。ああ、荷物を持ってもらえると助かります」



話しながらもずんずん進んでいくコーティ様は、ルーフェスを担いだまま階段まであっさりと攻略していく。もう、止める隙も無い。あきらめた私は、荷物をとりに走る。


ずっと室内で草案を黙々と作っている、頭脳派でなよやかな印象だったコーティ様は、実はとっても頑健なおかただった。



*********************



翌日のお昼も回ったころだろうか、ようやくルーフェスが目を覚ました。



「ん……」



小さな呻き声をあげたルーフェスが、ムクリと身体を起こして、ゆっくりと辺りを見渡す。昨日からすると、顔色もすっかり良くなって、目の下の隈も和らいでいる。


その姿に、私はこっそりと胸を撫でおろす。


……良かった、随分と回復できているみたい。



「おはよう、ルーフェス」



もう、おはようと言える時間でもないけれどね。



「あれ、姉さん? なんで……あれ?」



キョロキョロと部屋中を見回て混乱している様子なのが可愛い。コーティ様によると、どうやらルーフェスはあれから一度も目を覚まさず、こんこんと眠り続けていたらしい。



「昨日、ルーフェスったらあのままテーブルで寝てしまったのよ。コーティ様がここまで運んでくださったから、戻られたらお礼を言ってちょうだいね」



それを聞いた途端、ルーフェスの顔が顰めたまま真っ赤になった。


本当を言うとコーティ様はルーフェスが嫌がるだろうから、運んだことは内緒にしておいてくれと言ってくれたのだけれど、姉としてはそういうわけにもいかないもの。


お礼はしっかり言うべきだと思うの。



「情けない……恥ずかしい……」



ぶつぶつと呟いているけれど、ルーフェスはやがて諦めたらしい。



「姉さん、ちなみに今、そのコーティさんはどこにいるのかな」


「もうそろそろ戻ってくる頃だと思うけれど。朝から調査に出ていて、食事時に一度、情報共有にきてくださる話になっているから」


「はあ? 朝から?」



開いた口がふさがらない、という表情のルーフェス。その気持ち、痛いほど分かる。


なんせ私が起きた頃にはコーティ様は既に食事も入浴も済ませた、とてもすっきりしたお顔だったのですもの。


身支度全て整えてまさに調査に出ようという様子に、私もただただ驚くしかなくて。


もちろん、疲労など微塵も残っていない、いつも通りの雰囲気だったのは言うまでもない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【作者の先日完結作品】こっちもオススメ♪

ここをポチッと押してね(^-^)

『魔法学校の無敵の首席騎士様は、ちょっとコミュ障、大型わんこ系でした』

先日完結しました。首席騎士様が強いのにカワイイとの感想を多数いただいております(笑)

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。