表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】シナリオ通りに退場したのに、いまさらなんの御用ですか?  作者: 真弓りの


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

226/282

お二人は体調を回復させてください

「うーむ、少し無理をさせ過ぎてしまったようですね」



コーティ様も、心配そうにルーフェスを見ている。どうやらさすがに責任を感じているらしい。



「クリスティアーヌ嬢」


「はい」


「今日は揺れない寝台ですから、心ゆくまでゆっくりとおやすみくださいね」


「はい、たっぷり寝ます! 明日からはいよいよ調査ですね」


「ええ。ですが、お二人は少なくとも昼までは宿の部屋でやすんで、体調を回復させてください」


「ですが、情報収集は手分けして行った方が効率が良いと思うのですが。せっかく連れてきていただいたのですから、私、頑張ります」


「気持ちは分かりますが、まず最優先で集めたい情報はレオナルドくんがこの町に入ったか否かと、このクーレイで物流を取り仕切っている輩と既に交渉を始めているかです。それくらいは私だけでも、午前中に情報収集できますからね。あなた方は午後からでも、なんなら明日からでも充分です」


「ですが……」



なおも食い下がろうとした私に、少しだけ微笑してコーティ様は足をとめた。つられて、私も足を止める。


立ち止まったまま、コーティ様は視線をゆっくりと前に向けた。


コーティ様が見つめる先には、御者さんに支えられて、ふらつきながらも宿へと歩くルーフェスがいる。ようやく宿の扉にたどりついたルーフェスの背中を見送って、コーティ様は口を開いた。



「貴女の気持ちは分かります。役に立ちたいでしょうし、レオナルドくんのことも心配でしょう。朝から調査に加わることができるだろうことも理解できますよ」



ならば、と言いたいところだけれど、私はぐっと言葉を堪えた。私の気持ちを分かっていて、それでもコーティ様がとめるには、きっと理由がある筈ですもの。



「貴女とルーフェスくんの体調管理も私の仕事のひとつです。ここまで頑張ってもらいましたからね、今は体調を回復させることのほうを優先させたいのですよ」



優し気に微笑むコーティ様は、道中のスパルタっぷりが夢だったように、慈愛に満ちている。



「それに、貴女は少々無理をすれば、明日も朝から動けるかもしれませんが……ルーフェスくんはどうですか? 明日の朝から動けそうでしょうか」



さっきのふらつき加減を見ていたら、とても無理に思える。


ルーフェスが大丈夫だと言ったとしても、少しでも体を休めて欲しいというのが本音だ。やっぱり、心配ですもの。



「無理だと、思います」


「そうでしょうね、私もそう思います。ルーフェスくんのほうが貴女よりはるかに疲弊している」



 コーティ様も、深く頷いた。



「ですが、貴女が調査に行くと言えば、ルーフェスくんだって黙っていないでしょう」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【作者の先日完結作品】こっちもオススメ♪

ここをポチッと押してね(^-^)

『魔法学校の無敵の首席騎士様は、ちょっとコミュ障、大型わんこ系でした』

先日完結しました。首席騎士様が強いのにカワイイとの感想を多数いただいております(笑)

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ