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何が言いたいかっていうと

確かにミスト室長はとっても曲者な感じがプンプンしたし、そのミスト室長でさえコーティ様に押され気味な気はしていたけれど、だからといってそれが悪いわけでもない。


ここ数回見学させていただいた感じからするに、役割分担がしっかりされていて、膨大な案件を少人数で緻密に調査するための環境が整っていた。本当に、安心していい職場だと思うのに。



「あの、市井官の仕事を見学に行くと伝えた時に、実はルーフェスからもとても心配されたのです。でも、本当にやりがいのある、良い職場だと思うのですけれど」



レオさんに反対されると悲しい。言い募れば、レオさんはちょっとだけ焦ったように「ああ、違う違う」と頭を振った。



「俺、クリスちゃんの夢は全力で応援してるから! だからホラ、今日も協力してるでしょ」



確かにそうだ。でも、はっきりと口にして貰えてホッとしたかも。



「クリスちゃん、夢ができてから行動力もでてきたし、なによりイキイキしてるからね、市井官を目指すのは大賛成!」


「良かった、ありがとうレオさん」



嬉しくてにっこりと笑えば、レオさんは「あー、もう」と天を仰ぐ。



「俺が心配してるのは別のこと! あんまりそうやって不用意に笑っちゃダメだよ、クリスちゃん」


「ええ? そういうわけにも。以前のように仏頂面では、皆に心配されてしまいます」


「そうかも知れないけど……うーん、なんて言えばいいかなぁ」



とっても困ったようにレオさんは言うけれど、さすがに私も今さら無表情には戻れない。というか、話の流れが全然つかめないんですが、レオさん……。



「コーティさんはさ、王城でも『出来る』って噂の人なんだよ。あのミスト室長を叱り飛ばしたりうまく転がしたりできるなんて、あの人くらいだからね」


「そう、なんですね」



レオさんが話をどこにもっていこうとしているのか分からないまま、私はとりあえず相槌を打つ。


ポロリと出てきたミスト室長とコーティ様の関係性が地味に面白かったけれど、きっとそこは本題ではないだろう。



「ちなみに、君の父君の覚えもめでたい」


「まあ!」



素直に驚いた。お父様が急に市井官のお仕事見学を許してくれたのは、ミスト様の根回しの成果かと思っていたけれど、コーティ様のお力もあってのことだったのかしら。



「しかもイケメン」


「そうですね」



確かにイケメンだ。エールメ様によく似て穏やかで優し気だけれど、知的な印象もあわせもったお顔立ちで……そうね、レオさんが動なら、コーティ様は静のイメージかもしれない。



「何がいいたいかっていうと」


「はい」


「コーティさんにクリスちゃんをとられそうで心配」



噴いた。



「笑いごとじゃないよ」


「だって、真剣な話かと思ったら」



唇を僅かに尖らせて「真剣な話だよ……」と拗ねている姿まで面白い。レオさんといると自然に肩の力が抜けて、自然体になれる気がする。


本当に、不思議な人。

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