もう死んでもいい
「……はい、信じます。レオさん、よろしくお願いします」
「うん、任せて!」
ものすごく嬉しそうに、レオさんが破顔した。
そんなにこの調査をやりたかったのかしら……と不思議に思っていたら、レオさんは少し照れたように鼻の頭を軽くこする。
「ずっと寂しい思いさせちゃってたからね、こうしてクリスちゃんの役に立てるだけで嬉しいんだ」
「レオさん……!」
レオさんの優しさに、胸がじんわりとあったかくなった。
確かに会えなくて本当はすごくすごく寂しかった。でも、だって、お仕事だもの。
レオさんはまだお仕事に就いたばっかりで、実績をつくるためにも今は無理をすることだってきっとたくさんある。
寂しくても我慢しなくちゃって、そう思っていただけに、レオさんの気遣いがとても嬉しかった。
ただ、レオさんの仕事の邪魔をしたいわけでも、レオさんにばっかり負荷をかけたいわけでもない。なんだかとても複雑な心境だ。
「ありがとうございます、すごく嬉しい……! 本当は私もなにかレオさんのお役に立ちたいのですけれど、残念なことになにも思いつかないんです……。ごめんなさい、レオさん」
「なに言ってんの、クリスちゃんの顔見ただけで俺、元気百倍だから大丈夫!」
「そんなの、私もそうですもの。レオさんの顔を見たら、寂しかったのが吹き飛びました」
「え、ほ、ほんとに……!?」
急にレオさんが真っ赤になる。絶対にレオさんの恥ずかしいこと言ったと思うのに、どうしてレオさんの方が照れているのかしら。
事実をありのままに言ったつもりだったけれど、レオさんが照れると私まで急激に恥ずかしくなる。
「あ、当たり前じゃないですか。レオさんが帰って来たのが嬉しくて、顔に出すぎて女将さんにも笑われたくらいなのに」
「もう死んでもいい」
「そう簡単に死なれたら困ります……じゃなくて! 私もなにかレオさんのお役に立ちたいっていう話をしていたのに」
もう、どうして話が脱線してしまうのかしら。
「何か、私でもお役に立てること、ないですか?」
困ってストレートに聞いてみたら、レオさんは「えー? 別にいいのに」と唇を尖らせる。
「第一、この調査だって結構役に立ってるんだけど。オーズさんはああ見えて顔がべらぼうに広いからね。オレもこれからの仕事の関係上、オーズさんには顔を売っておきたかったんだ。ここで使える奴だって思ってもらえれば上々だよ」
「本当に? それなら良いのですけれど」
そう言って貰えてついホッとしてしまう。
私が気兼ねしないように言ってくれたのかも知れないけれど、レオさんのお仕事の役に少しでも立てるのならば、それだけで心が軽くなるもの。
「あ! じゃあさ、ひとつお願い聞いてくれない?」




