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今日は卒業式

第二部を開始します(*´ω`*)

よろしければまた、お付き合いくださいませ。

「準備は整いまして!?」


「ええ、全生徒、定位置につきましたわ。祝辞をくださるオニール卿も到着されています」


「結構! 順調ね」



私の答えに満足したように、グレースリア様が華やかに笑う。


今日は卒業式。


私達が新生徒会として初めて大きな行事を取り仕切る記念すべき日であり、レオさん達が卒業してしまう、とてもとても寂しい日でもある。



「クリスティアーヌ様、眉が下がっていてよ。感傷はあと、今は式に集中!」


「はい!」



すかさずグレースリア様の檄がとぶ。


するどい、さすがグレースリア様。私の気持ちが揺らいだ一瞬をしっかり感じ取ったんだわ。


そうよね、私達を信じて新生徒会に指名してくださった、殿下やレオさん達を送り出すための大切な式ですもの、今はとにかく式を成功させることを考えなければ。



「たしかオニール卿は杖をついていらしたわね、壇上への補助をお願いできるかしら」



グレースリア様が控室の方を見遣りながら、心配そうに言うけれど、そこはご心配なく。



「フェイン様に依頼済みですわ、男性の方がしっかりと補助できると思いまして」



なんせオニール卿はとても恰幅の良い方だ。私の細腕では正直うまく補助して壇上までご案内するのは難しい。身長その他を考慮した結果、フェイン様にお願いしたんだけど……。



「ふふ、心配するまでもなかったわね」


「グレースリア様! そろそろ式が始まりますわ、定位置についてください!」



微笑むグレースリア様に、今度はアデライド様から声がかかった。さすがに式の当日ともなるとスケジュールも分刻みだ。


細いメガネをクイっと上げて、グレースリア様をまじまじと見つめたアデライド様は、おもむろにその指を伸ばす。



「少し御髪が乱れていますよ、ちょっと失礼」



緩やかな手つきでグレースリア様の髪を整えて、アデライド様は「これで良し」と頷いた。


今日はアデライド様がタイムキーパーを務めてくれているから、色んな意味で安心だ。


なにしろ彼女は職務に忠実だし、言うべきことはグレースリア様や殿下にだってハッキリ言うお方だ。滑舌もはっきりしていて指示が聞き取りやすいし、とっても適任だと思う。


彼女がきっちりと時間を管理してくれているおかげで、特に大きな混乱もなく式の準備は今のところとても順調に進んでいる。



「さて、いよいよ本番ね」



ギリギリまで指揮を執っていたグレースリア様は、そう一言呟いて、背筋をぴんと伸ばした。


切れ長の目を閉じて、ゆっくりと開けると、先ほどまでの活発さとはうって変わって静謐な空気を醸し出す。


私ではこんな風にピタリと気持ちの切り替えなんてできないだろうから、やっぱりグレースリア様はすごい。

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