事の始まり(プロローグ、最初の投稿テスト)
神は長い夢から目を覚ましウシュルランを創造し、空を最初の竜、陸を最初の人間、そして海を最初の亡者へと与えた。神は最初の竜へと言った。空を自由に飛び周り下のものを守護しなさい。
神は最初の人間へと言った。陸を耕し上と下の者へと恵みを与えなさい。そして神は最初の亡者に言った。海を泳ぎまわり上のものに変化を伝えよ。
神は最初の竜に5匹、最初の人間に13人、最初の亡者に3人の仲間を与え、それぞれの種族に子孫繁栄の歌を伝え、この世界であるウシュルランを去った。
創造の書第1節より抜粋
ジェシュ暦356年 霜の月 7日 歌の島 竜の鱗亭
赤鼻のガル「おい、あんた聞いたか?最近、島の浜辺に赤い装束を着た女の亡霊が出るそうだ。悲しげに歌を歌っていて近づくと消えるそうだ」亭主レーベン「また飲みすぎたんじゃないか、ガル?
お前さんったらその話何回言ったら満足するんだ?亡霊なんかいないって、歌の魔術のいたずらかなんかじゃないのか?」右肘のトスカ「いや、俺のガキも見たらしいぞ!なにやら
子供だけに見えるらしい。」レーベン「トスカ、あんたがそんな話をするのは珍しいな、いつも飲みすぎる口じゃないのに。」
その夜、亡霊の議論は竜の鱗亭では大盛況だった。店じまいの刻まで客は帰らなかった。
翌日、島の漁港では人だかりが出来ていた。久しぶりに陸の宗主である竜の大公の使いが40メートルもある船に乗って着岸したからだ。使いがもたらした話はすぐに島中に広がった。
話は主に他の島や、大陸の海岸で起こっている亡霊の目撃情報についてだ。使いは勅命により周辺の海域や、島での話を調査するように使わされたという話だった。
それに加え、大公の使いはあの名高い歌の塔の長、この国で最も強力な歌の魔術師である三つ目のスタグナで、これは何かあると島の人々の噂話に火をつけた。