子育て勇者と魔王の子供・38
実家に手紙を書いてみた。
双子も文字を覚えたので、一緒に書いてみた。
「今は住む所を探してる。子供連れでゆっくりできるところを探しているところなんだ。双子はとても良い子です。全く苦労してません。家庭教師とペットも増えて、今はとてもにぎやかです。心配要らないから。皆元気だよ。そっちも元気でやってるかな。兄さんたちにもよろしく言っておいて。じゃあ、また。
追伸・子供たちが字を覚えたから、手紙を書きたいって言うんだ。せっかくだし、書いてもらって同封するよ」
「おにーさんはやさしいです。ゆうしゃです。とってもたよりになります。でも、にぶいです。そういうところがおもしろいです。ずっといっしょにいたいので、よろしくおねがいします」
「にーちゃんおもしろい。おれ、とーちゃんよりにーちゃんがすきかもしれねー。にーちゃんといるとたのしいから、いろいろいっぱいよろしくー」
「なんて書いたんだい?」
「ないしょです」
「ないしょー」
子供たちは内容を教えてくれなかった。そういうのも楽しいのでそのまま同封することにする。
三枚の便箋を一枚の封筒に入れて、配達人に頼んだ。
住む所を見つけたら、そこからまた手紙を出そうと思っている。
家族が増えるって、素敵なことだな、と、ユーヤは思った。
……嫁はまだいないのだけれども。
ちょいと息抜き。短い閑話。




