子育て勇者と魔王の子供・32.6
「おねえさん、いつまでいるつもりですか」
「いつまでって、何が?」
「そのまんまです。おにーさんはおうさまのところにおとーさんのことをほうこくしました。もう、おにーさんはゆうしゃじゃないです。で、おねえさんはいつまでおにーさんといるつもりですか」
「……そ、そうね……そうよね……ええ、と、ユーヤさんが、子育てに慣れるまで……?」
「それまでずっときせいちゅうですか、おねえさん」
「……寄生虫扱いするの、止めてもらえる? イリアちゃん」
「おにーさんとはなれたらやめます」
「…………あのね。会ったときから疑問なんだけれど、どうしてあなたとイリックくん、そんなにユーヤさんになついてるの? ユーヤさんは勇者よ? あなたたちのお父さんの魔王の……あなたたち魔物の敵よ?」
「おにーさんはてきじゃないです」
「だって、勇者よ。魔物の――」
「てきじゃないです。おにーさんは、ちがいます」
「? どういう意味?」
「おねえさんにはわからなくていいです。はやくはなれてください。おにーさんは、わたしとイリックのほごしゃです」
「イリアちゃん、どういう意味――」
「ご飯できたぞー! イリア、オーラ、どこまで行ったんだー?」
「はぁい! 今行くです、おにーさん」
「ちょっと……ああ、行っちゃった……でも、今の……どういう意味なの……?」
小数点刻み。別人視点ですからね。次からは普通に更新します、多分。(え)




