表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
子育て勇者と魔王の子供  作者: マオ
26/117

子育て勇者と魔王の子供・26

 魔物に襲われた。

 オーラと子供たちを庇いながら戦い、何とか退ける。

 オーラは賢者見習いで、しかも魔法アイテム開発に長けているだけで、戦闘に関しては素人なのだ。

「ユーヤさん、怪我……!」

「あ、大丈夫大丈夫」

 戦闘中、魔物の爪が腕を切り裂いてきたのだ。かなり豪快に血が出ている。

「ぽちみたいに回復能力がすごいとラクなんだけどな」

 力なく笑う。ユーヤは勇者と呼ばれるような人間だが、魔法は不得手だ。軽い回復魔法くらいは使えるが、攻撃のほうはもっぱら剣を振り回している。

 回復魔法で血を止めて、荷物から包帯を取り出そうとすると、イリアとイリックが手伝ってくれた。

 オーラも薬草を取り出して貼り付けてくれる。

 ちなみに、ぽちも戦っていて、魔物を蹴散らし、余裕たっぷりに尻尾を揺らして双子の横に座っている。自力で双子を奪還しようとしただけあって、実は結構強いようだ。


 単に性格がヘタレなだけらしい。


「にーちゃん、いたい?」

「いたいですか?」

 双子が心配そうに見上げてくるので、笑って頭を撫でてやった。怪我をしたほうの腕が上手く動かなかったけれど、誤魔化す。

「大丈夫大丈夫。メシ食って寝たら治る」

「ほんと?」

「ほんとですか?」

「うん。心配してくれてありがとう」

「情けないな勇者よ。そんなに惰弱で王子と姫を護れるのか貴様? ふん、やはり我輩が」

 ぽちが埋まった。

「イリア? 後でごめんなさいしような?」

「……………………ごめんなさい」

 すごく小声で棒読みだったし、苦虫を噛み潰したように納得がいかない表情だったけれども、まぁ、よしとしよう。


 歩き出して、しばし。

 視界が揺らいだ。

「あ……?」

 まずい。毒持ちだったのかあの魔物。しかも、遅効性でじわじわと効いて来るような毒。

 荷物から毒消しを。

 思う前に膝から力が抜けた。

「にーちゃん!?」

「おにーさん!?」

 双子の声が聞こえて――意識が落ちた。


ピンチ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ