子育て勇者と魔王の子供・83.5
感想にご意見ありがとうございます! 更新が遅くなりましたが、今回はガールズトーク……かな……?(自信なさげ)
「こんにちは、イリアちゃん」
「こんにちはです、おねえさん」
「今日はお父さんは?」
「いつものとおり、ねこんでます。おとーさんのほんなら、すきなものもってっていいですよ。どうせおとーさんのですから」
「そう? えーと……じゃあ、借りて行こうかな……ところで、何してるのか訊いても良い?」
「おりょうりです」
「え、ひとりで!?」
「さらだくらいひとりでつくれます。ひをつかうのは、おにーさんのおばーさんがいっしょじゃないとだめですが」
「………………」
「なんですか、おねえさん」
「………………ううん、なんでもない」
「りょうりのうでがこどもにまけたのがしょっくなんですね」
「………………はい」
「さらだもつくれないですか」
「………………ううう」
「さいのうないですね」
「………………イリアちゃん」
「なんですか」
「…………イリックくんって、料理が上手い人のほうが良いかしら」
「おねえさん」
「は、はい?」
「おにーさんのことさんざんようじょしゅみといっておいて、じつはようじしゅみだったですか」
「………………あのね、別にそういうわけじゃ」
「イリックと、としのさはいくつですか」
「あなたとユーヤさんよりは、ないわね」
「いっこしかちがわないです。たいしてかわらないです! おにーさんはへんたいじゃないです!」
「私だって変態じゃないの! ユーヤさんが変態じゃないようにね」
「おにーさんはへんたいじゃないです、おねえさんはへんたいです」
「どこがどう違うのか教えて……くれなくていいわ、やっぱり。ええとね、それでね、イリアちゃん」
「なんですか」
「私が一緒に旅をした間のユーヤさんのこと教えてあげるから、イリックくんのこと教えてくれない?」
「…………そうきましたか」
「そうくるのよ。これが」
「……おねえさん、つよくなりましたね」
「違うわ。そういうのじゃなくて……覚悟というか、気持ちが固まったってだけ、かな。イリアちゃんだって、そうでしょ? 最初はユーヤさんのことただのお兄さんだったでしょ? でも、好きって気持ちが固まったから、頑張ってお料理してあげてるんでしょ? そのサラダ、ユーヤさんに作ってるのよね?」
「…………そうです」
「ふふ。口をとがらせてるの可愛いわよ」
「むー。おねえさん、かわりました」
「そうね。でも、多分、良い変化じゃないかな。そう思いたいな。ね?」
「…………なんかくやしいです」
「やったぁ。一緒に旅をしている間、私もすっごくあなたたちに悔しい思いをしたから、なんだか嬉しいわ。一本取った気がする」
「むー。そういうこというと、いじわるなこじゅうとめになってやりますよ」
「今まで散々意地悪されたから、そのくらいじゃあへこたれないわねー。でも、できれば仲良くしてほしいな。末永ーく、ね?」
「……あんまりなかよくしたくないです」
「お、進歩」
「なにがですか」
「初対面の時『あんまり』なんて言ってくれなかったの覚えてない? きっぱりずっぱり『仲良くしたくない』って言い切ったのよ。でも、今は『あんまり』なんだなーと思って」
「…………おねえさん」
「なぁに?」
「かおがでれでれです」
「だって嬉しいんだもの」
「…………むー」
「うん、今ならユーヤさんがあなたたちのこと可愛いって言ってた意味が分かるわ。可愛い♪」
「わたしはもともとかわいいのです」
「そうね、可愛いわ」
「…………おねえさん」
「なぁに?」
「……イリックは、ぼんきゅっぼんなおんなのひとがすきですよ」
「えっ!? うそっ!?」
「うそです」
「…………イーリーアーちゃーんー?」
「そういうひとがすきなんだとおもってましたけど、じつはちがうみたいですね」
「えっ、ほんと!?」
「おとーさんはぼんきゅっぼんなおんなのひとがすきなんですけどね」
「えーと、とりあえずお父さんの好みは良いわ。お母様がものすごいぼんきゅっぼんですもの」
「おとこのひとってまざこんってほんとですか?」
「……だとしたら私はぼんきゅっぼんにならないといけなくなるわね……」
「むりですね」
「そ、そんなことないわよ? これからなるかもしれないもの」
「むりです」
「…………無理、かな?」
「おねえさんがぼんきゅっぼんになるより、わたしがぼんきゅっぼんになるほうがかのうせいがたかいです」
「………………う」
「…………でも、まぁ」
「?」
「おねーさんはべつにそのままのおねーさんでよいとおもいます」
「……イリアちゃん……」
「おにーさんのはなしをしてください」
「え、もうちょっとイリックくんのことを教えてほしいなぁ」
「じょうほうはとうかこうかんです」
「えー。じゃあねぇ……」
ガールズトークは、しばらく続いたようである。
微妙に、心を許した相手には呼び方が変わる双子です。
警戒しているひと→「おねえさん」「おにいさん」「おじいさん」など。
好きな人→「おにーさん」「おとーさん」「おかーさん」などと、ひらべったい呼び方になります、地味に。