少年の『正義と悪』についての考察
「だからさー、正義と悪なんてそんなモンだと思うんだよね」
「ほう」
「テレビで仮面被ったヒーローが化け物倒す奴とかあるけどさ、化け物側からすればいい迷惑だよな」
「ふむ」
「人間だって森林伐採して動物たちの住処奪ってるじゃん?化け物がやってるのはそれと同じだと思うんだよね。生存本能だよ生存本能」
「それで?」
「それを人間に都合が悪いから『悪』だって言って殺すのは余りにも横暴だと思うんだよね。それこそ種族保存の観点から見ればライダー側が『悪』だしさ」
「続きを」
「でも、人間が暮らしていく上で都合が悪いのは事実な訳だ。だからさ、結局正義と悪なんて観点で物事を語るのは余りにも非論理的なものだと俺は結論付ける訳よ」
「なるほどなるほど。よく分かった」
「えっへん」
「で? それが俺の弁当勝手に食い散らかしたのと何の関係があるのかな? 我が親愛なる同級生君?」
「すまんて」