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第17話 アリスが惚れた理由と原作知識

 以前からダーティ家が悪役貴族と言われるようになる理由が全く分からなかった。でも、それらが全部冤罪からなっていたとしたら……すごいしっくりとくるな。


 確かに、冤罪を着せられまくれば、性格が曲がって悪役のような正確になるのも納得できる。


 まさか、こんなところで繋がってくるとは。


 アリスは話を言いづらそうに続ける。


「私たちは彼女に誘導されて、私たちは反政府組織に引き渡されました。おそらく、ヴィラン様が助けに来てくださらなかったら、私たちは殺されるかどこかに売り飛ばされていたんでしょうね。彼女が裏で手を引いているのを知ってしまったので」


 ……そういえば、俺がアリスたちを助けた後、すぐに騎士団が助けに来ていたよな。あの数の騎士団なら、反政府組織にも負けはしないだろう。


 そうすれば、アリスは家の者に裏切られても、家の者に助けられたことになる。むしろ、早く助けてくれた家の者を信頼するようになったかも。


 あれ? そういえば、原作だとアリスが自分を守ってくれる騎士団がすごく強いと何度も言っていた気がする。


 もしかして……今回の誘拐事件で株を上げるべきだったのは騎士団の方だったのか?


 それよりも先に俺が助けに入ってしまった結果、その信頼を代わりに俺が得てしまった。そして、俺が同年代の男の子だったということもあり、信頼が恋心に変化したと。


 なんかそう考えると、色々としっくりくるものがあるあるな。というか、これが政界にしか思えなくなってきた。


 俺がそんなことを考えていると、アリスは俺をまっすぐに見つめ、胸元で小さな拳をきゅっと握った。


「だから、ヴィラン様に助けていただいて本当に嬉しかったです。失ったばかりの心の支えができた気がして」


 アリスはそう言って瞳を潤ませる。


 これは……あんまり邪険にはできんよな。


 原作以上に惚れやすい性格になったのには、それなりの理由があったというわけだ。というか、なんやかんやで俺のせいでもある。


 そう考えると、自然と言葉が漏れていた。


「大変だったな」


「ええ。少し気持ちの整理がつきませんでした。でも、今は仲の良かった子が新たに使用人になってくれましたから、少し気が紛れてるんです」


「仲の良かった子?」


「シャル。ヴィラン様にご挨拶を」


 アリスがオレンジ色の髪をした女の子の方に振り向くと、オレンジ色の髪をした女の子が俺たちの方に近づいてきた。


「アスター・シャルロットです。以後、お見知りおきを」


「昔は一緒によく遊んでいたので、今でも気が許せる仲なんです。ですから、今はもう大丈夫ですよ。それに、今はヴィラン様もいらっしゃいますし」


 アリスはそう言って口元を緩めてから、ぱんっと柏手のように大きく手を打った。


「はいっ、この話はここで終わりにしましょう。せっかく、ヴィラン様と再会できたのですから、しんみりした話は終わりです!」


 アリスはいつも通りの明るい笑みを浮かべてから、「あっ」と何かを思い出したような声を漏らした。それから、アリスはピシッと手を上げた。


「ヴィラン様。私もお聞きしたいことがあります」


「なんだ?」


「ヴィラン様は一人であの組織を倒したのですよね? どうやってそれほどの力を身に着けたのですか?」


「フッ、修行のたまものだ。というか、アリス様ならーー」


「アリスとお呼びください」


 すると、アリスは俺の言葉を遮って割り込んできた。


 いやいや、前も同じようなことを言われたけど、子爵が王女を呼び捨てなんかできるか。首が飛ぶぞ。


「そういうわけにもいかんだろう。それに、アリス様も俺のことを様付で呼んでいるぞ」


「だって……ヴィラン様は私の未来の旦那様ですもの」


 アリスは恥ずかしそうに頬に両手を当て、くねくねとしていた。


 だっての意味が分からん。


 俺が困惑していると、シャルロットがペコッと俺に頭を下げてきた。


「ヴィラン様。アリス様がそう仰っているので、そうしていただけると助かります」


 いやいや、本当にいいのか?


 確認のために男の使用人の方を見ると、男の使用人の方も少し考えてから頷いた。どうやら、この流れで呼ばない方が失礼になりそうだ。


「分かった。では、アリスと呼ばせてもらおう」


「はい、ヴィラン様!」


 すると、アリスは嬉しそうに笑みを浮かべた。


 ただ名前を読んだだけなのに、やけに嬉しそうだ。ここまで大げさな反応をされると、今後も色々と大変かもしれんな。


 俺はそんなことを考えて大きくため息を一つ吐いてから、話を戻す。


「それで、アリスならあのくらいの奴らは簡単に倒せただろ? なぜそうしなかった?」


「「「っ!」」」


 すると、なぜかリーエ以外の人たちが目を見開いて俺を見た。


 な、なんだ。何かいけないことでも言ったのか?


 やけに緊張した空気の中、アリスが控えめに口を開く。


「……なぜそう思いになったんですか?」


「なぜ? アリスの魔力量なら簡単だっただろ? 王家の中でも中々いないほどの膨大な魔力を持っているはずだ」


 すると、またリーエ以外の人たちが大げさに驚いたような反応を見せた。


 いや、マジでなんなんだよこの空気。


 ん?


 あっ……この設定って、序盤では一部の人しか知らないシークレットだったっけ?


 しかし、それを思い出したときにはすでに遅かったようだった。




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