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第11話 回復魔法で拷問を

「……は?」


 すると、俺の一撃を受けて、男の剣の刀身が折れて後方にふっ飛んでしまった。


 男は何が起きたのか分からないのか、口をパクパクとさせている。


 俺は大きくため息を漏らして、男をじろっと見る。


「力を込めすぎたか。それにしても、一撃で剣が折れるなんてもろ過ぎないか?」


「お、お前がバカみたいな魔力込めるからだろ!」


「なんかあまり他の奴らと変わらんな。期待して損したぞ」


 俺が呆れるようにそう言うと、男は顔を真っ赤にして肩を震わせた。


「ぐっ、舐めるなよクソガキがっ!」


 それから、男は俺から距離を取ってから、他の男が落とした剣を拾って得意げに笑う。


「いいかクソガキ。魔力があるってことは魔法が使えるってことなんだぜ」


 男はそう言うと、俺から離れた位置で力を込めて剣を振り下ろした。すると、白い斬撃のようなものが俺にめがけて飛んできた。


「死ね! クソガキが!」


 ほう。斬撃を飛ばすってことは風系統の魔法か何かか。


 俺が初めて向けられる魔法をじっと見ていると、その斬撃のような魔法は俺の腹部に直撃した。


 俺は直撃した腹部をちらっと確認して、「あっ」と声を漏らす。


「しまった。服が切れてしまった」


 男の魔法をもろに食らってしまった俺の腹部は、男の魔法のせいで服の一部がはじけ飛んでしまっていた。


 まずった。これ、パーティ用の一張羅だぞ……あとでめちゃくちゃ怒られるんじゃないか?


 俺が顔を引きつらせていると、男の動揺した声が聞こえてきた。


「は? はぁ!? なんだお前! 直撃したはずだろ! 効いてないのか!?」


 男はよほど信じられなかったのか、この世のものではないものを見る目をこちらに向けてきた。


 そうか。男からしたら効いてないように見えるのか。


 俺は頬を掻いてから、素肌になってしまった腹の部分を撫でる。


 俺は斬撃が直撃する瞬間、回復魔法を発動させていた。攻撃が効いていないのではなく、当たった瞬間に回復したので、効いていないように見えていただけだ。


 俺は反転させた回復魔法の修行として、反転させた魔法を自分の腕に当て、それを瞬時に回復させるという方法を取り入れていた。


 腕をずたずたにさせてから回復をかける修行もしていたが、それだと掃除が面倒ということもあり、修行の方法を変えたのだ。


 その結果、今ではダメージを受けると同時に、体を修復させる回復魔法を習得することができたのだった。


 反転させた回復魔法の修行を行った結果、回復魔法の修行にもなったのはついてたよな。


「ば、化け物め! 何なんだお前は!」


「化け物とは心外だな。真の悪役と呼んでもらおうか」


 それから、俺は魔力で身体強化してから、一気に男との距離を詰めた。そして、男の肩にぽんと片手を置く。


「い、いつの間にーー」


 そして、男が驚いているうちに男の肩に反転させた回復魔法をかけた。


 ズシャッ!


 すると、男の肩から指先にかけての部分がボトッと地面に落ちた。


「ぐあああ!」


 男が痛みで転がっている中、俺は男を見下ろして口を開く。


「子供を誘拐しているらしいな。誘拐した子供たちの場所を教えてーー」


「ぐあああ! ああああああ!」


「おい、聞いているか? 誘拐した子供たちの場所をーー」


「あああああ! うわああああ!!」


 何度か誘拐した子供たちの場所を聞こうとしたが、男はただうめき声を上げるだけだった。


 こっちの言葉が聞こえないほど騒いでる男を見て、俺はため息を吐く。


「はぁ、仕方がない」


 それから、俺は男に向けて回復魔法をかけた。すると、切断されたはずの腕がすぐにくっつき、男は呼吸を整えてくっついた腕を撫でた。


「はぁ、はぁっ、う、腕がくっついた?」


「もう一度聞く、誘拐した子供たちの場所を教えろ」


「はっ! 誰がお前なんかに教えるかよ!」


「『反転』」


 俺が再び男の腕に触れて反転させた回復魔法をかけると、また男の腕がぼとっと地面に落ちた。


「があああ!」


 それから、また俺は男に回復魔法をかけ、地面に落ちた腕をくっつけた。


「はぁっ、はっ、」


「誘拐した子供たちの場所を教えろ」


「い、言わない! いくら脅されてもーー」


「『反転』」


「ぐあああああ!」


そんなやり取りを十回ほど行うと、男は泣きながらようやく口を割ったのだった。


「まさか、回復魔法も拷問として使えるとはな」


 俺は涙と鼻水でぐちゃぐちゃになっている男を見下ろして、そんな言葉を呟く。


 それから、俺は男をその場に残して、子供たちがいる場所へと向かうのだった。


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