16 みんな仕事中
「ただいまー」
「詠斗さん達おかえりなさい!できましたよー」
「え、何が?」
「洗濯機とレンジと冷蔵庫!」
「え、本当?」
「早く来て下さい」
畑に戻ってくるとナイルに出迎えられ、詠斗の手を引きテントの中に入るとドラゴン達に囲まれた先に詠斗達が求めている物が鎮座していた。
「わ、洗濯機に!まさか乾燥機も!」
「このレンジは温めるだけではなく、冷やす機能もありますよ」
「主達おかえり…冷蔵庫とこの上は冷凍庫だ。全て魔石と魔力で動く」
『………すごい』
3人が同時に感嘆の声を上げる、黒色で統一されたそれらはまさしく日本で使われている物と同じだった。
「うわ、乾燥機憧れの乾燥機が目の前に…風魔法があるのに使いたい誘惑が…」
「オーブンも作れるかな…お菓子作りたい…」
「冷蔵庫…冷凍庫…収納があるとはいえ、これがあるとないとでは違うよな…」
「カルのおかげですよ、雑誌を読み込んでこの形を鉱物ダンジョンの物で作ってくれたんです。あとは仕組みは千眼さんが…」
「魔石に魔法を込めて嵌め込む、鉱物で作った外観にも魔石を細かくしたものを混ぜ込み魔力の流れを良くしている。洗濯機の後ろの排水を見て欲しい…ホースの先の容器と中に入れた魔石は流れて来た物を吸収する…乾燥機は一番シンプルな仕組みだ。蓋を開け中に乾かしたい物を入れる、この魔石は風魔法が入っている、それに魔力を流せば1度で10分程稼働する」
「鉱物ダンジョンの鉱物達は魔石と相性が良い…よく馴染んで…いる。だから複雑な道具も作れる…楽しい」
「そしてレンジだが扉を開け中に食物を入れ、赤い魔石に火魔法を青い魔石に氷魔法をそれぞれ組み込んでいる…時間…これの調整が一番難しかったが魔石の隣の小さい石を1回押すと1分にしてみた…使ってみて使いづらければ言って欲しい…」
「え、それってこの容器の中で排水出来ているの?あとレンジの仕組みすごい。乾燥機の便利ー」
「これは水道にも応用できるな…」
「そうですね!排水しなくて済むなら水道を店の好きな場所に置けます!カルさん、千眼さんすごいですよ」
「作るの楽しい、もっと作る…」
「作るのも面白い…」
「なら、千眼、カルこれも作れないか?」
大河が出してきたのはキャンプなどの特集の雑誌(父親の趣味)の外に設置する水道だった、持ち運びも移動も楽なので供え付けは止めてこちらにする事に決めた。
「これで、お湯と水が出るようにして欲しい」
「これ簡単俺、作ってくる」
「あ、カルさん待って。これ食べて下さい、さっき買ってきたので…」
雑誌を借りて大事そうに抱えて畑に戻ろうとするカルを率が止め、《クイナト》で買った食べ物を幾つか渡した。
「あ、ありがとう」
「いえ、無理はしないでください」
「う、うん」
「千眼もありがとう」
「ああ…私も楽しい」
「千眼さん、ナイルさん明日店で一緒に設置しませんか?明日はドワーフの皆さんもお店の人も来ないですし」
「それはいいな、折角こうして皆で作ったんだ行かないか?」
「それは良いですね!人が来たらすぐに転移魔法でここに戻れるようにしますね」
詠斗達が千眼とナイルを誘う、2人は少し悩んだ後各々答えを出した。
「分かりました、是非お手伝いさせて下さい」
「私も実際に作った物がどうなるか見たい…」
2人がほほ笑む、明日の予定が決まった所でシャワーを浴びようとした所きゅう達が戻って来ていない事に詠斗が首を傾げた。
「きゅう達は…肉ダンジョンにオリガとラドゥ達と行ってます。飛んで《クイナト》から戻って来るから、もう戻って来ても…」
「帰ってきた…おかえりーシャワー浴びよう」
『きゅ!』『もぐ!』『もぐ』『もぐぅ』『ぴぃ』『ぱしゃ』
「いやぁ楽しかった!」
「また明日も行きましょう、戻りました。この中に今日のドロップ品があります」
「ありがとう!」
「ユナイドに他のダンジョン聞こうぜ」
オリガ、ラドゥ、黄色の髪に目のドラゴン、タッセルが後に続く、詠斗と皆でまとめてシャワーを浴びてさっぱりした。
「モグラちゃん達今日は俺達の家に泊まりなよ、ゲームしよう」
「そうですね、続きしましょう」
「まけないぞ」
『もぐ!』『もぐっ!』『もぉぐ』『きゅう』『ぴぃ…』
「詠斗くんハルとナツは俺達の家の泊まっても良い?」
「アキさんとウィンさんは眠いみたいで、きゅうさんは本を読むそうです。僕も借りていきますね」
「はい、みんな寝ないのはダメだよー」
『はぁい』
『おやすみー』
ハルとナツを連れてオリガ達が畑に戻る、大河のスマホの中にある何故か遊べるゲームが一部住人達に人気で、今夜はそれをやるようだった。
アキは詠斗が連れて一緒の布団に入る、きゅうとふーとウィンはいつもの図書スペースで千眼と図鑑を眺めている。
「他のドラゴン達はみんな銭湯造りを行っています、水の入れ替えの問題は洗濯機と同じ方法を使うので大分捗っているようです」
「楽しみだね、明日店の設置が終わったら俺も手伝う」
「僕も手伝います」
「俺も楽しみにしているからな」
「ん…」
「ふぁ、おやすみなさーい」
詠斗がすぐに眠りに入ると他の面々も静かに眠りに入っていく、布団は明日配ろうかと大河は思い、率は制服が出来るのが楽しみだなーと思いゆっくりと眠りに付いた…。




