第024話 外神VS神々
「外神さん、わざわざ礼服に着替えたのか?」
「はい」
「へぇ、面白。神々に会うのに礼服?いいね」
神々に会うのに外神が用意したのは黒いスーツ、黒いネクタイ……大河は感心し懐記は笑う礼服という出で立ちだった。
カジノタワーのVIPルーム、今回神々13名が依り代で来るというので外神は礼服を着ての参加だ…陰鬱な雰囲気の彼が着れば喪服に見えてしまうそんな装いだった。
「行こうか」
「はい…」
千歳の転移でカジノタワーのVIPルームへと転移する、そこには13名の依り代に宿った神々、古代龍イシュター、精霊モッカ、収集家、魔神皇グローリーとメシュレラ達、馴染みのドラゴン達、ニアとニトを入れた魔王達と詠斗が集合し壁には外神のステータスが刻まれていた。
「………」
「気持ち悪いですよね?自分のステータスが壁に刻み込まれているだなんて」
「いえ…このスタータスは前の物なので特には、初めまして《アタラクシア》の神々たる皆様、《神の庭》たる守護者…《×××××××》達…僕は外神諫埜といいます」
「……」
蒐集家が壁を眺めている外神に大きく口を歪めた笑みを浮かべる、がしかし外神は何の感情も読めない表情で返し蒐集家が考え込み黙る、一同席に着き最初に口を開いたのは神々からだった。
「先ずは外神諫埜…貴方び我々から謝罪を…」
「申し訳ありません」
「貴方がこの500年で過ごした時間は…」
「………今日僕が神々である皆さんに謁見を求めたのはお願いがあるからです」
「我々で叶えられる願いは応えたいと思います」
「そうですか、では討伐不可対象を討伐可能に」
『…………』
外神の希望は事前にナビから聞いていた、神々は何の討伐不可対象を可能にするのかはまだ知らない。
「聞いています……お聴きしましょう…貴方が討伐したい対象を」
「《歌姫アルカナ》《混沌の聖女》《不滅龍》《×××》《崩落都市オフィートス》に封じた邪神…そして現在僕の収納空間にいる異界の生物達…」
ざわめく神々…驚く周囲、嗤う蒐集家……眉を顰める千眼、何の感情もなく言葉を紡ぐ外神の瞳は深く昏き…。
「ふむ……」
「む、無理なのです!」
「現在《歌姫アルカナ》《混沌の聖女》は…」
「僕は魂魄鑑定が出来ますから…」
『な…』
神々の驚愕の声、目の前の異世界から来た青年は最早人では無い…そう結論付けざるおえない。
「ま、待って下さい!《不滅龍》とは?我々も知りません」
「龍を討伐など…《アタラクシア》は赦さないです」
「無理…不可…ごめん」
「……《不滅龍》というの僕も詳しくはしりません、今から100年程前に千年後の未来から来たという方達に討って欲しいと依頼が来ました…《不滅龍》が出現するのはここから約800年後のようです」
「ふむ…時間遡行か…」
「おいおい…魂魄鑑定に時間遡行…」
「討伐の許可……我々に出せるのは…」
「《崩落都市オフィートス》の邪神…と《×××》です、異界の生物に関しては少し時間を下さい」
神々が互いの顔を見合わせる、思考が困惑し神々は混乱している。
「《不滅龍》の出現は800年後…情報は他にありますか?」
「神々に会えた場合それだけ伝えれば良いと…」
『………』
「《歌姫アルカナ》は2度彼女の首に届きましたが討伐不可がそれを阻みます、3度目は魂の破壊を…2度と転生などはさせない。《混沌の聖女》もです、魂を破壊します」
『………』
「この世界の理…秩序…」
「それの破壊…」
神々が魂の破壊…それこそが真の終わりなのだ…真っ直ぐに神々を見る外神の暗い瞳、煌めきも輝きも無い暗い…この世界で得たものをどれだけ失ったのか…応えなければ彼に申し訳ないが…神々にも出来ない事がある…それを後押しするように外神が口を開いた。
「僕が500年掛けて貯めた善行ポイント8億ポイントを使い、どうか彼らを討つ事を可能にして下さい…何も持たなかった僕が《アタラクシア》でした約束…依頼…得た物…掬えなかった物、諦めた物…ですがここは諦める事が出来ない…」
外神の真摯な言葉1つ1つに年月が重なる、それを静観していた周囲はその言葉の重さを心に留めた。
「8億……すごいね、それだけ救ったけれど救えなかった物も…」
「約束か…きっと叶えられなかった物もあるだろう」
「手伝えたらいいですけど…」
「神様達でも難しい事を…僕たちが手伝えるのでしょうか…」
「外神さんの事もっと知りたいな、すごいね!」
「それでも先は800年ねぇ」
「それほどの事をしたんだね…情に熱い人だね」
「ゆっくりと話しを聞きたい所だな、この世界の歴史を知った方がいい。彼が目指す物ならば俺達も同じだ」
「………うん」
「8億…特殊スキルで獲得した物ではなく、鑑定が進化して獲得した物…」
「……分かりました…6億ポイントを貰い《歌姫アルカナ》と《混沌の聖女》の討伐を可能にしましょう…現在この2名の所在は把握していますか?」
「大体の場所は…ですがまだ討つべき刻ではないので…可能にさえして貰えれば、僕の収納空間の異界の生物達も同じです。いつでも討伐可能にさえなれば」
「異界の生物で討伐不可な物は1億ポイントを貰いこちらで…」
「お願いします…」
「スマホを受け取って下さい、すみませんすぐに結論が出せない物が多いですね。貴方に報いたかったのですが」
「今はこれで十分です…ありがとうございます」
「何か欲しい物はないのですかなのです?」
「……そうですね、以前《境界》で戦った異界龍が現在裏ギルドで働いているので、彼がこの世界で過ごす許可を。恐らく2日程で商会と裏ギルドの皆さんがここに来ると思います。この大陸には龍皇国がありますから…」
「分かりました、皇帝は良きに計らうように」
「承知しました」
神々がニジェルガに支持を出し恭しく礼を取る、出されたスマホを外神が懐にしまい話は一度終了とする。
「良ければ僕の魔法で作った木です良ければ」
「頂きましょう」
収納から木を出現させる、花と黄金のリンゴもどき葡萄、レモンなどが豊かに実る壮麗な木を神々が受け取りVIPルームを依り代を残し《神の庭》へと戻っていった。
壁に刻まれたステータスは外神が指を弾き全て消す、外神は椅子に座り静かなまま何処かを視ていた…。




