1 峯尾 大河
「ん、ここはどこだ?」
「ようこそ、我々の世界へ。歓迎する、我らの救世主たる2番目の異界人よ」
真っ白い空間、同じ衣装を身に纏う13名、その背後には彼らの背丈程ある地球儀のような球体がゆっくりと自転していた。
「……異世界か」
手には先程郵便ポストから出した茶封筒に入った本とコンビニで購入した物、背中には通勤用のリュック、夢ではない、現実だと言うなら違う世界なのだろう。
「ふむ、話が早くて助かるな」
顔は見えない人?声は同じ話し方が違う、所謂神という存在なのだろう。
「俺はライトノベルも嗜む、知識はある。だがハーレム物は好きじゃない。で、俺はここで何をすればいい?帰れないんだろう?それとも条件クリアで帰れるのか?」
話がさくさく進む、神々もこの呑み込みの良さに舌を巻く。
「こほん、まず帰れないのは確かです。ですが我々の世界の病を治す為の魔法を使うには異世界かららの召喚が必要なのです。貴方はその魔法でここに召喚されました。我々は貴方に敬意と誠意を持って出来る限りの事をしたいと思います」
「なるほど、すでに救ったという事か。勇者やら巻き込まれやらトラックやらで召喚された訳でもなさそうだしな」
大河は内心思う、異世界召喚されたのはまあ良いとして(良いのか?)神々の感謝の気持ちに漬け込み有利な条件を引き出そうと…画策する事にした。
「では、ステータスの説明から。まずはステータスオープンと口にするか、頭の中で言ってみてくれ」
「わかった」
峯尾 大河 : 不老不死 肉体年齢 27歳 導く者
所持魔法
雷魔法 水魔法 火魔法 空魔法 浄化魔法 転移魔法
スキル
状態異常無効 無限収納(時間停止) ステータス隠蔽 攻撃無効※
固有スキル
書店(※只今準備中)
善行ポイント
10,000pt
「なるほど、不老不死か…後この固有スキルは?」
「《アタラクシア》に来てくれた礼として不老不死にしている、固有スキルは個人に付いたものだから我々もわからん」
「おい、準備中となっているがいつからだ?いつ?」
固有スキル 書店(す、すみません、まだ準備出来てないのでお待ち下さい(汗))ステータスの書店の文字を指でつつくと文字表記が変わる。
「ステータスが文字表記で謝る所初めてみたぞ、可哀想だから止めて」
「俺は本が好きだから、書店とか表示されたら気になる、なるべく早くしてくれ」
固有スキル 書店(は、はい)更につついて一端止めておく、次の説明が神から入った。
「次は、ステータス隠蔽だな、指で触ってみてくれ」
峯尾 大河 : 27歳
所持魔法
水魔法
非常にシンプルなステータスになる、成る程使い分けろと言い訳なのだろうか、便利だ。
「無限収納(時間停止)なそのままだな、生き物は入らない。入れたい物に収納と声に出すか頭で思い浮かべるかして、出すときも同じようにやってみてくれ」
そう言われ手に持っていた本と、コンビニの袋を収納と念じ消えた、出すときもイメージすると手に戻っている。
「ふむ、次は魔法だ。君は珍しい魔法を所持している、空魔法は空を飛ぶことが出来る。後は雷魔法はこれは広範囲に攻撃可能だな、空魔法との組み合わせで様々な効果が期待出来る。水、火は名の通りだ頭な中で水をイメージして頭の中でか口に出してみて欲しい」
雷と空…大河は高い所も雷も好きではない、使わなそうな魔法だなと思いながら、水をイメージし頭の中で唱えると手なら水が溢れて白い床に落ちるが水はどこかに消えてしまった。
止まれと念じれば止まる、水と火の魔法はありがたい。
「ふむ、適応力が素晴らしい。後は浄化魔法だな、我々も君達地球に住む日本人の事は調べた、大変綺麗好きで風呂にも毎日入ると、この世界の人々は毎日湯船に入る等しない、そこでこの魔法を我々が作った。頭の中で浄化と唱えると汚れた身体や服が元の状態に戻る」
「それは、すごいな。助かる」
毎日入る綺麗好き…概ねそうだが、人によりけりだろうと内心思うがせっかくの気遣いに水を差す真似を大河はしない。
「では、次は善光ポイントについて説明します、ステータスの善光ポイントを押して下さい」
善行ポイント
10,000pt
現在交換可能
魔法
雷魔法(雷撃:50pt) 水魔法(水弾:50pt)
火魔法(火矢:50pt) 空魔法(空斬:50pt)
浄化魔法(自動清掃:300pt)
スキル
鑑定:500pt 無限収納(ウィンドウ表示:300pt)
「こちらは現在の貴方の保有ポイントと交換可能の物の一覧です。善行ポイントとは、我々または《アタラクシア》にとって良い事や我々の依頼…こちらに関してはまた後程説明します。依頼達成などで受け取れるポイントです」
「10,000ポイントか?随分多いな」
「そのポイントは我々の感謝の印です、交換可能の内容は日々変わっていきます。困った時等確認して下さい。魔法は様々な可能性があり、自分の力で学び進化させていくとことも大事です」
「わかった」
「次は依頼の説明なのです、依頼と言うのは我々のお願いを聞いて、達成するちょっとしたお仕事なのです」
「成る程、金で買えないスキルはポイントで交換か」
喋り方が子供みたいだが、声は全員同じなのがアニメみたいだと感じる。
「なのです、なのです。《アタラクシア》は今治療中なのです、この薄い幕は《アタラクシア》の進行を遅らせる為のものなのです、この薄い幕は《アタラクシア》の病を進行するのを遅らせる為に《アタラクシア》が自ら産み出したものなのです、この幕は我々の《眼》を鈍らせてしまうんです。今 《アタラクシア》の中で何が起きているか細かい事がわからないなのです」
「世界が病む…ね」
細かい事は聞くまい、藪をつついても録な事は起こらないだろう。
「後は質問などはありますか?」
その質問を待っていた、ここから大河のターン無茶振りが始まった…。




