決闘開始
「始め!」
その掛け声とともに魔法が飛んできた。俺はその魔法を横へ避ける。前を見ると前衛であろう男と女がこちらへ走り出してくる。
「ヒカリは後方の奴らを魔法で攻撃してくれ」
「わかった」
そう言い俺も前衛の奴らを剣で迎え撃つ。
「オラ!」
「軽い!」
俺は男が斧で繰り出す攻撃を剣で弾き返す。
「うあっ!?」
俺とのステータス差がありすぎて男はそのまま吹き飛んでしまった。
「えっ!」
女はそんな男の様子に予想もしていなかったのか驚き、もはやこちらを見ていない。
「ダークバレット!」
「キャー!」
俺はそんな女に向かって闇魔法を放つと、女も吹き飛び倒れてしまう。「弱いな」それが俺の素直な感想だった。決闘前から自信はあったが、もう少しまともに戦えると思っていた。ヒカリの方を見ると、案の定ヒカリも光魔法だけでパーティーリーダーの男と女を抑え込んでいた。
「くそっ僕が押されるはずない!」
パーティーリーダーの男がそう言うと一度メンバーを集めだす。
「そっちは大丈夫だったか?」
「全然問題ないよ。ていうか、あの程度の実力だなんてがっかりだよ。もう少し期待してたんだけどな〜」
俺のヒカリと合流して現状を確認するが、ヒカリも物足りない様子だ。このままだとあっさり終わってしまうぞ。そんな事を思っていると思っているとパーティーリーダーの男が一人前に出てきた。
「おい、お前確かシンといったか!お前は俺と一騎打ちだ!」
男はこちらを見下しながら言った。
「えっ、なんでそんな事を俺がしなきゃいけないんだ?」
このまま行けばこちらは問題なく勝てる。わざわざそんな茶番に付き合う必要はないんだが。
「うるさいな。いいから僕と戦え!さては君、僕と戦うのが怖いのか?」
そんな事をいってくる。はぁ、
「こちらにメリットがないんだよ。どうしてもと言うならこちらに勝った場合のメリットを提示しろ」
そもそもこの決闘自体、俺達になんのメリットもないのだ。だが、対人線を行う機会自体なかなかないので引き受けてみただけだ。
「くっ・・・良いだろう、もし君が勝てたら僕たちのアイテムから3つ差し出そう」
「乗った。アイテムはこっちで選ばせてもらうからな」
ヒカリもこの提案に同意し、一騎打ちを行うことにした。
「行くぞ!ファイアボール!」
「っ!?」
俺はその魔法を後方に跳ぶことでそれを避ける。しかし、思ったよりも速度も威力もあったので驚いた。
「まだまだ行くぞ」
今度はファイアボールを打ちながら間合いを詰めてくる。どうやら近づいて剣で仕留めるつもりなようだ。
「ダークバレット!」
俺は闇魔法でそれを相殺していく。
「何!?魔法も使えるのか・・・」
お前も使えてるんだから俺が使えてもおかしくないだろと内心思いながらも後退しながら魔法を放っていく。
「逃さない!オラッ!」
男は迷わずこちらにかけてくると、剣を抜き切りかかってくる。
「当たんねえよ。ほら、お返しだ!」
俺は剣をバックステップで交わすと、右足で蹴りのカウンターを相手の脇腹にいれる。
「グッ!」
吹き飛んだが、まだ立てるようだ。
「まだだ!お前等僕にバフをかけろ!」
男がそう言うとパーティーの仲間が男にバフを掛ける。ルール違反なのではと思いながらも言わないでおく。バフを掛けたところで俺には勝てないしな。
「食らえ!」
男が剣を振りかぶるが、その動作があまりに遅いので右手でボディーを入れた。
「グハッ!」
この攻撃は聞いたのか相手は剣を落として蹲る。
「もう終わりか?」
確かに喧嘩を売るだけあってこの間揉めた冒険者たちよりは強かったが、俺達には及ばない。
「くそっーー!?」
男は怒りに任せ飛び込んでくるが、俺はそれを横に躱し男の頭を掴むと地面に顔面を叩きつけた。
男は動かない。気絶したようだ。
「シンやったね!」
ヒカリが飛び込んでくる。その嬉しそうな顔を見て俺も嬉しくなった。
「これで私達の価値だね」
ヒカリがさっきまでいた方を見ると、冒険者3人が倒れていた。理由を聞くと一騎打ちの最中にヒカリに襲いかかってきたらしい。剣と光魔法でゴリ押しして倒したようだが。
「試合終了!勝者シン、ヒカリパーティー!」
訓練所は歓声に包まれた。




