漆黒の敵
「シン・・・何あのモンスター」
「待ってろ、今鑑定する」
種族 ミノタウロス (異常個体)
レベル 20
ランク C
HP 140
MP 80
攻撃 125
防御 87
知力 74
魔攻 66
魔防 59
俊敏 103
運 100
スキル
斧術Lv5 威嚇Lv4 身体強化Lv3
ユニークスキル
致命の一撃
「強い」この一言に尽きる。あれほど強い敵は見たことがない。ステータスも軒並み高水準でスキルレベルも高い、そして何と言っても初めてモンスターでユニークスキルを持つ存在との接触だ。
致命の一撃
MPを大幅に消費することで通常攻撃の何倍もの威力での攻撃を可能とする。
ユニークスキルはこのような効果らしい。恐らくこの攻撃を受けたら今の俺達では死ぬこともあるだろう。絶対のこの攻撃だけは受けてはならない。ヒカリに伝えると彼女にも緊張の色が見える。
「ヒットアンドアウェイで行くぞ!」
「わ、わかった任せて!」
「キュー!」
俺達はミノタウロスに向かって接近する。
「転移!」
そう叫んだ瞬間俺の視界はミノタウロスの背へと切り替わる。これは俺のスキル空間魔法の効果でレベルを上げていくうちに短距離ではあるが瞬間移動ができるようになったのだ。俺は剣をミノタウロスの背へと切りかかった。
「ガチンッ」という音が聞こえた。
「・・・防がれたっ!?」
俺は確かにやつの意表をついたはずだが、切りかかった瞬間やつは反応し片腕で弾かれた。
「ハク行くよ!」
その掛け声でヒカリは光魔法、ハクはブレスで攻撃を試みるが、
「グゥ!」
ミノタウロスは両腕をクロスさせガードされる。
「これはやばいな」
「わたしたちの攻撃もあんまり通ってないみたい」
今度はミノタウロスが斧を振り下ろす。俺達はとっさに左右に分かれる。避けると同時にズゴーンという大きな音が聞こえ地面を見ると地面が大きく凹んでいる。通常攻撃であの威力なのか、ユニークスキルを使ったらどうなるんだ。俺達はその後も攻撃を試みるが、
「このままじゃ埒が明かない、俺が隙を作るからヒカリとハクは魔法を合わせてとどめを刺すんだ」
俺はそう言うとミノタウロスの周りを高速で移動し続け翻弄する。やつも俊敏ではあるがその巨体が仇となっているようだ。その証拠に狙いが定まらないのか攻撃の手が出ない様子だ。
「いいぞ、このままいけばっ!?」
そう思った時ミノタウロスの動きが豹変した。攻撃できないことに苛立ったのか、やつは斧をむやみに振り回し始めた。
「やばいっ!?」
しばらく躱し続けたが、この攻撃は避けられない。
「グハッ」
俺はとっさに剣で受けたが、力に押され壁に打ち付けられた。
「あと少し・・・踏ん張れ俺!」
自分に言い聞かせながら必死に立ち上がろうとするが、体が動かない。ミノタウロスは堂々とこちらに近づいてくる。
「もうだめか・・・」
諦めかけたその時、
「そうわさせない!ハク行くよ!」
「キュー!」
ヒカリとハクの声がミノタウロスの背から聞こえた。
「ライトニングブレス!」
その声が聞こえ俺は横へ跳ぶと同時に、まばゆい光のエネルギーが放出された。
「いけー!」
「キュー!」
「グゥオーーーーー」
光が収まり俺はあたりを見ると疲れ果てた様子のヒカリとハクと床に落ちるドロップ品だけが残されていた。
「やったー勝ったー!」
「キュッキュー!」
ヒカリとハクが喜びの声を上げる。
「やったねシン!」
そう言いながらヒカリは俺に近づいてくる。
「やったな!けど・・・もうちょっと早く言ってくれ!俺まで当たるとこだったぞ!」
「あー・・・えへへ!」
こいつ笑ってごまかしたな。まあ、今回の勝利はヒカリのおかげでもあるので文句を言うのはここまでにしておこう。
「さあ、ドロップ品を回収するか!」
「うん!」
「キュー!」




