彼女との出会い
今日もダンジョン攻略を行うため、俺はギルドに顔を出した。ちなみに外を歩くときはハクには服の中に隠れてもらっている。
「あっ!シンくん!」
最近すっかり顔見知りになったハルさんが声をかけてくれた。彼女は誰とでも笑顔で接してくれるため、彼女に好意を向けている冒険者も多いらしい。
「ハルさん!おはようございます。」
「今日もダンジョン?毎日行ってるみたいだけど、ちゃんと休みは取ってくださいね。」
どうやら俺のことを心配してくれていたらしい。有り難いな。
「わかりました。今日は程々にしますよ。」
「あっそういえば最近シンくんと同世代くらいの女の子が3階層で頑張ってるんですよ。」
「3階層で?」
3階層といえば現在の最高到達階層だ。現在3階層を攻略している冒険者は複数いるが、この若さでそれを成し遂げてることはすごいことだ。
「はい。ただ少しそそっかしい子なので見かけた際は声をかけてあげてください。」
「わかりました。じゃあ、行ってきます!」
その後俺はギルドを出て、ダンジョンに向かった。俺はすでに10階層を攻略しているため10階層ごとに設置されている転移ポータルで10階層に行ける。だが、俺は先程の話が気になり、3階層によってみた。
ちなみに3階層は洞窟型のフロアだ。
「どこにいるんだ?」
3階層によってみたものの、その女の子らしき人物は見当たらない。どうやらかなり奥の方へ進んだようだ。
「何だ?」
奥へ進むこと数時間、さらに奥の方から何者かが戦闘している音が聞こえてきた。
「これは、モンスタートラップか!?」
音のする方へ走っていくとそこには小部屋があり、例の女の子と思わしき人物が多くのゴブリンに囲まれていた。
「ハァハァ、数が多すぎる・・・」
多くのモンスターに囲まれ、今までに経験したことのないほどの危機の中で宮園光莉は恐怖していた。それでも近づいてくる敵をなんとか切り裂いていく。しかし、限界は突然訪れる。
「ッ!?あ〜もう限界かな・・・」
限界を迎えた光莉は重力に逆らうことなく膝から崩れ落ちた。一体のゴブリンが走り寄り、剣を振りかぶった。
「もうだめだ・・・」
光莉はぎゅっと目をつぶった瞬間、
「キンッ」
激しい金属の衝突音が聞こえ目を開けると、一人の青年が立っていた。
「へッ?」
「大丈夫か!?」
彼女を見つけてすぐ、俺は彼女の美しい剣筋に目を奪われた。いや、彼女の美貌とその剣技は俺ではなくとも目を奪われるだろう。しかしとうとう彼女にも限界が来た。
「マスター!」
「わかってる、行くぞハク!」
「キュー!」
俺は彼女とゴブリンの間に立ち、ゴブリンの剣を剣で受けた。
「大丈夫か!?」
「あなたは・・・」
どうやら彼女は突然現れた俺に驚いているようだ。
「待ってろ、今片付けるから!」
俺はゴブリンたちに向かって走り出し、一体また一体と切り裂いていく。彼女が後方で「キレイ・・・」とつぶやいている。俺の剣技のことか?彼女のほうが綺麗な気がするが・・・
「ラスト一匹ッ」
こうして無事にゴブリンを倒し終え、彼女のもとに向かった。
「さっきは危ないとこだったな、大丈夫か?」
「うっ・・・うん!大丈夫助けてくれてありがとう。」
光莉は戸惑いつつも笑顔で感謝した。
「俺は佐藤信だ。よろしく!」
「私は宮園光莉。よろしくシン!」




