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龍喚士  作者: ただの海月
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時間は意外と過ぎ去らない

 「ふえー、酷い目にあったぜぇ。」


 おかしいなあ、先週俺の後ろの田島君で終わったはずなんだけども何で二回目の解答権が俺にバトンタッチしているのでしょうかできればご教授いただきたいのですが。まあ単純にあの人の気まぐれでしかないだろうけど。いや生徒の成績に関わるもん気まぐれでやらないで欲しいんだけど。


 「今日が正式サービス開始当日じゃなかったら発狂してたぜぇ……。」


 今日は待ちに待ったフロサガの正式リリース日、事前ダウンロードは済ませてあるから後はサーバー開放を待つだけだ。そのあと数時間が凄く歯がゆいんだけどね。


 「光陰矢の如しって言うんだからこういう時間もさっさと過ぎて欲しいんだけどな。」


 本当時間ってさっさと立ち去っていく癖してこういう時だけゆっくりと流れるんだよなマジで。実はこの瞬間だけ時空歪んでるんじゃないか、相対性理論の敗北だな。相対性理論の内容一切知らないから適当言ったけど。


 「はりあーぷ、はり……。」


 今日の課題でもやっておけばそれなりには時間潰せると思ったんだが意外と少なかったな。明日休日だというのに珍しい、もしかして何処かに会議があって全員分の採点できないからとかなのかな。いやないな、体育祭の後に鬼みたいな量出したからその線はな。


 プルルルル、手元にある端末が震える。メッセージが飛んできたようだ。


 『オレオレ、開始時間まで雑談しね?』


 送り主は諭吉だった、まあこんなタイミングで俺にメッセ送ってくるのはコイツぐらいだろうから何となく察してはいたんだけどね。


 『いいぞ』


 短いだろうけど、まあ返事に長々とした文章送っても迷惑だろう。特に近しい仲の相手にさ。親しき中にも礼儀ありとは言うけども、ずっと礼儀を気にする関係は親しいとは言えないだろうから。


 『おっす雪兎、元気してっか?』

 「学校で会っただろ、あれで元気じゃなかったら毎日不健康になるぞ俺。」


 いつものように会話にジャブを交えて談笑する。こういう仲というのは結構気が楽だからいい、常日頃から気を使うような関係は息が詰まっていけない。


 『今ツカッター見てたけどもう召喚士トレンド入ってたぞ。』

 「大方初心者の方は止めておこう的な奴だろ?」

 『いや?使うのやめろだったよ。』


 大体似たようなもんだろ、止めておこうだって遠回しな『それ使ったらどうなるかわかってるよな?あ゛?』だからな。俺は止めておいたんですよ~、でもこいつらが話聞かなくて~的なノリでPK側に回る奴だっているからな。実際βにはいた、ボコボコにしたけども。


 「そういえばβにはなかったジョブ追加するんだって?」

 『らしいね、これからも追加していくらしいし結構PvP環境変わっていくんだろうな。』

 「まあ環境がいくら変わろうが召喚士で行くがな。」

 『俺も修験者かなぁ~。』


 結局の所俺たちはあの日感じた浪漫を忘れられないんだ。例えいくら地雷だと言われても、地味で映えないとか言われても屁の河童、言わせておけばいいの精神なんだ。てか普通に考えて自分とは一切関係ない奴がどうプレイしようが問題なくね?


 「お、もう8時だ。」

 『さて、キャラメイクしてきますかね。』

 「乙、また向こうでな。」


 プツン、セッションから退出する音が耳から抜けていく。さてと、β版のとは少し見た目を変える為のメモ何処にやったっけな。あれ頭に叩き込んでおかないと絶対前の流用するだろうからな。絶対PK依頼出されるから顔変える必要あるからな、あと名前。


 「待ってろよドラゴン。」


 視界が真っ黒に染まる、この感覚も最初はちびりそうになっていたけど今では心地よさに変わっている。もしかしたらヘッドギア付けた状態の方が安眠できるかもな。



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