1、龍喚士
龍喚士
龍喚士とは『フロント・サーガ・オンライン』(以降フロサガ)にて使われている召喚士のスラング及びに蔑称を指す。本項ではスラング成立までの流れ、使われ方を説明する。
1、クローズドα版当時
「フロサガ」のクローズドアルファ版当時にはまだこのスラングは生まれていなかったされている。理由としてまだ当時ジョブ開放回りのシステムが今現在とは異なっており、特定のクエストを一定数繰り返すことで開放権を得られるようになるというものであった。そのため召喚士自体の数が少なく、α版最終日に召喚士についていた人数は僅か10人程度だった。そのため召喚士に対しての言及は「どのように開放したのか」だけであり、当時召喚士=秘匿者といったものであった。因みに吐かせるために一時期PKが横行し問題に発展した。
2、オープンα版当時
オープンに移行と同時にジョブシステム面に変更が成された。変更点はジョブ取得に関するクエストには必ず副産物に表示されるようになったというものであり、これによって特定の職業の独占というものは無くなった。
ただこの変更に伴い一定数の職業クエストが変更され、それによって一部エンドコンテンツと呼ばれるようになったものがありこの変更は賛否両論となっていた。
この変更に召喚士も左右された。当時のクエストが今までのお使い系から戦闘系へと変更、またその内容も天王山(オープンα当時の最終ダンジョン)のボス周回といった高難易度となっており以前以上に職業取得が厳しいと考えられるようになった。
運営はこの変更の理由を、「当時署内で召喚士は魔術系の最高位にあってほしいといった意見が大多数占めていた」と後のHGS(heavens game show)の特設ブースで語られた。
オープンα終了時の取得人数はおよそ50人程度であったとされている。当時α参加者が1万人いたと考えると母数に対して非常に少ないことが伺える。
当時召喚士はエンドコンテンツのその先にあったので、取得者は皆「廃人」というニュアンスを持たせてスラングとして使用していた。
3、クローズドβ版当時
オープンα版の反省からか各職業取得に関するクエスト難易度を低下、また一部ジョブを最初期から選択可能に変更した。そのため今まで山間部で座禅を組み続けた修行僧や技法や戦術が必須だった騎士などの一部ジョブが初期ジョブに変わった。ただしその変更によってスキル威力等の低下など各種修正が施された。
召喚士もこの変化の恩恵を浴びた職業であり、ボス討伐から特定のスキルを習得した状態で悪魔系の魔物を討伐するといった簡易なものへと変更された。
召喚士の性能は、本人の魔法攻撃力は若干低いものの召喚獣の破壊力が高いという本体さえ死ななければ火力貢献できるものであった。そのためある程度のプレイヤースキルを必要とされており、各所でタンクが囲んで召喚士を守る簡易固定砲台を考案するなどの脳筋戦術が結論構成などと呼ばれていた。
当時の召喚士の評価は「ロマン砲」であり、特に火力貢献する召喚士は周回にひっぱりだこであった。またこの時期から動画投稿サイトに召喚士のコンボと言う名の魅せプを紹介するものがあり、召喚士の人気が加速した。
当時の数は不明、統計を取る事自体が難しかったのだろう。
4、問題のオープンβ版
オープンβに移行後に問題は発生した。まず召喚士が初期ジョブへと変更になった点、今まで上位ジョブとして扱われていた召喚士が初期段階で選択できるように変更された。これによって魔術系統から独立したツリーとなり、無駄にスキルを取る必要が無くなった。
次の問題点は、召喚獣の系統を先に選択可能になったという点だ。今までは討伐した魔物のアイテムを消費して召喚していたのだが、そういった縛りが撤廃された。
この二つの変更点に加えて、クローズドの頃の召喚士動画の影響もあって初期ジョブ取得割合にて召喚士が5割を占める形となった。
これだけでは人口が増えただけとなったのだが、β中期ごろから起きたドラゴンブームがスラングの元となる問題を引き起こした。
4-1、ドラゴンブーム
ニカニカ動画に投稿された動画「ドラゴンisパワー」が1000万回再生を突破。内容はタイトルにあるようにドラゴンを多数使役し、圧倒的な火力でボスを1分以内討伐するといったものであった。これによって新規ユーザーが初期召喚獣に竜系統を選択、初期地点「ビング」にいる召喚士は皆竜使いだと言われるぐらいには多かった。
ただこのゲームにおけるドラゴンは大器晩成型で、1レベル上げるのに必要な経験値量が他の召喚獣より圧倒的に多い。そのため初期地点の回りの狩場を荒らしまわる召喚士が現れ始めた。
4-2、β後期
この流れを受けて攻略掲示板などでは召喚士に対する攻撃的発言が多くなる。また狩場が荒らされ口論になり、逆ギレされてPKに発展したということも多く投稿されるようになった。ただしどこまでが本当のことなのかは不明であったため、愉快犯たちの自作自演だったとも一部では言われている。
このように召喚士、特に竜使いに対してのヘイトが高まり自己中心的な奴らを指し示すスラングとしてこの時「龍喚士」が掲示板によって生まれた。
「全く、よくもまあこんなこと思いつくよな。」
カタカタと叩いていたキーボードから手を離してそう呟く。こんなものは関係ない、俺はやりたいようにやればいい。個人の自由はこんな蔑称を恐れて達成できるほど生易しくはない。